【3611】頭の中に考えが浮かびすぎる。ハイになる自分を止められない。

Q: 24歳、女性、会社員です。
私は度々ハイになることがあります。
社会的に、こんなことを言ってはいけないだろう、ということも言ってしまうし、自分は天才だ、と直感的に信じてしまいます。また、自分の中に思いついたアイディアがとても魅力的に感じられ、よく考えることもなく、すぐに同僚や上司などに伝えたり、展開しようとしてしまいます。
しかし、そんなことをやっている自分がおかしい、と思っている自分が自分の背後の方にいます。だめだ、止めなきゃ、と思うのですが、その時にはもう既に冷静な自分では自分の体を動かすことができませんハイになればなるほどその自分はより遠くに、より小さくなり、最終的に冷静な自分は自我をなくしてしまいます。
何かのきっかけでハイな自分から冷静な自分に戻るのですが、やはりいつも尻拭いをさせられるので本当にしんどいです。

ここまでの経過を今から話します。
昔からイージーミスが多く、衝動性が高いです。通知表にはいつも落ち着きがない、などの記述があったように思えます。母親に小児精神科(大学病院)に連れていかれたこともありましたが、診断を受けて母親は医者に激怒し、通院ができたのは1度きりだったように記憶しております。ネットなどを見ていると、自分はADHDの気質があるように思えますが、実際に今働けていますし、一人暮らしも出来ているので、診断がつくほどではないのでは、と思っています。

大学時代失恋をきっかけにうつ状態(1ヶ月ほどうちから出られないほど酷く気分が落ち込む、自分に価値がないように思え、死んだ方が世の中のためになるのではと常に考えている状態。不眠よりも仮眠が多くありました。逆に回復した今の方があまり寝られません。)になり、精神科に通うことがあったのですが、最初はSSRI?を処方されましたが、電車の中で暴れたり怒ったり、線路に降りて暴れたりするなどの症状が出て、お医者さんに双極性障害を疑われ(これは自分の憶測です。薬と先生の態度から自分がそう思いました。)デパケンRを多い時に400mg、コンスタンなどを処方されました。が、効果は効いてるのか効いてないのかわからない状態でした、が、周りの人のサポートのおかげもあり少しずつ回復して、大学を卒業し、就職することが出来ました。引越しをしたのでそのお医者さんを変わり、新しい病院に行ったのですが、そこでは君は双極性障害ではなく何らかの発達障害なのでは?と言われ、知能検査を勧められましたが、その当時回復傾向にあったので、その病院には1度しか通いませんでした。一人暮らしでお金が無いのもありました。

そして今に至ります。あまり死にたいとは思わなくなりましたが、最近やたらとハイになり、仕事や人間関係、男性関係等で困っています。いつも冷静な方の自分が 尻拭いさせられるので辛いです。多分多重人格とかではない気がします。
もう1度精神科に通った方がいいのでしょうか、その場合、うつ状態でもないのにかかっても迷惑にならないでしょうか。私は病気なのか、甘えなのか、このような性格なのか、わかりません。

 

林: 「ハイになる」として質問者がここに書かれている内容は、躁状態の症状と判定できるものです。そうしますと診断は双極性障害(躁うつ病)に傾きますが、

昔からイージーミスが多く、衝動性が高いです。通知表にはいつも落ち着きがない、などの記述があった

ということ、及び、小児精神科で何らかの診断が示唆されたことからすると、何らかの発達障害も考えられ、

自分はADHDの気質があるように思えますが、

それは正しいと思えますが、

実際に今働けていますし、一人暮らしも出来ているので、診断がつくほどではないのでは、と思っています。

それもまたその通りでしょう。ADHDにしても発達障害にしても、その傾向はあっても障害とまでは言えないレベルのケースは多数あります。
けれども、他方で、この【3611】には双極性障害と診断できる症状があることからすると、話はやや違ってきます。つまり、

新しい病院に行ったのですが、そこでは君は双極性障害ではなく何らかの発達障害なのでは?と言われ

この医師の指摘は正鵠を射ており、発達障害をベースにして双極性障害類似の症状が出ているとみる余地もあるでしょう。

もう1度精神科に通った方がいいのでしょうか、その場合、うつ状態でもないのにかかっても迷惑にならないでしょうか。私は病気なのか、甘えなのか、このような性格なのか、わかりません。

【3611】の質問者の受診が迷惑になるなどということありませんが、診断はかなり難しいかもしれません。しかし病気であることは確かだと思います。甘えということはありません。将来、また躁状態になり、仕事や生活に問題が生ずる可能性はかなりあると思います。

(2018.1.5.)

05. 1月 2018 by Hayashi
カテゴリー: 発達障害, 精神科Q&A, 躁うつ病