【3610】病気は治ったのか、それとも誤診だったのか
Q: 私は30代の女性です。
私は現在、躁うつ病と診断されています。 (双極性Ⅱ型とも言われています)
昔は、パーソナリティ障害や解離性障害、うつ病などと色々診断がつきました。
発症の原因は、家庭環境(母親からの虐待)と、中学時代から続く学内いじめにあるだろうと診断されました。 そのため、発症時期も12歳になっています。 (初診は予備校時代の19歳の時です。)
大学時代、リストカットや自殺示唆があり、また人(恋人)に対しての依存が強く、自分でも今思い返すと、パーソナリティ障害だったのだろうなと思います。
今ではリストカットはなくなり、人に対する依存も無くなり加齢とともに？パーソナリティ障害は治ったのかな？と、思っています。
躁うつ病に関してなのですが、理由のない落ち込みがひどく部屋から一歩も出れなくなったり、希死念慮が酷かったりで大学も中退しました。
かと思えば、夜も昼も休みなく働いては (その間は全然眠くなく、寝なくても至って元気です。) 稼いだお金を一瞬で使ってしまったり異常に饒舌になったり、 自分はすごい人物なのだという妄想に取りつかれる、性的に奔放になるなど躁状態？になることもあり、躁うつ病という診断がつきました。
最近は、鬱まで酷くない程度に落ち込むことや死にたくなることがたまにある程度で (それも、きっかけや理由がある落ち込みで、その状態は1週間続きません。) 、躁でも鬱でもない、寛解の状態なのではないかという気もしています。
そして、4か月ほど前からしばしば服薬を忘れるようになり 3か月ほど前からは一切服薬していません。
主治医にはそのことを言えていないのですが……
今のところ、気分の変調は特にありません。
薬を飲んでいても、飲んでいなくてもこんなに変わらないものなのかと不思議に感じています。
そこで、私は本当に病気なのか？という疑問が生じてきました。
友人や周りの人にメンタルクリニックに通っている話をしてもどこが病んでるの？と、聞かれるほどです。
処方は、デパケンR1000mg、エビリファイ30mgです。
昔は不眠が酷く、睡眠薬も処方していただいていましたが、今は、いつでもスッキリ眠れます。
これは病気が治ったのでしょうか。
それとも寛解状態がたまたま続いているだけなのでしょうか。
はたまた元々病気ではなく、そういう波のある性格なのでしょうか。
また、私はぬいぐるみや毛布を未だに手放すことができません。高校時代にお気に入りのブランケットを母親に燃やされ (私が手放さないため、家の裏庭で焼いたそうです。) 号泣し、発狂しかけ、自殺未遂したことがあります。
現在、ぬいぐるみは常に持ってなきゃダメということはなく、仕事しているときなどは仕事に集中するので無くて大丈夫ですし会社に連れて行くこともありません。
しかし、今年に入って、ぬいぐるみ収集癖が復活してしまい (月に10体以上買うこともあります。) 親から度を越している、子供がえりではないか。 と、言われてしまったほどです。
これは病気(子供がえり)なのでしょうか？
私は特に困っていないのですが親がすごく気にしています。
また、今度増やしたらすべて捨ててやる！などと言われてしまい、その言動のほうが辛く困っています。
自分で稼いで、そのお金で買っているし、ぬいぐるみがあることで精神の安定を図れるので誰にも迷惑かけていないと思うのですが、30過ぎてぬいぐるみを持っていることはそんなにダメなことなのでしょうか？
長くなってしまい申し訳ありません。
お答えいただけますと幸いです。
林:
私は現在、躁うつ病と診断されています。 (双極性Ⅱ型とも言われています)
昔は、パーソナリティ障害や解離性障害、うつ病などと色々診断がつきました。
このように、パーソナリティ障害などの診断を経て、最終的に双極性障害という診断が確定することは少なからずあることです。実際にはそのような場合、最終診断が本当に正しいかどうかは難しいことも多いのですが、この【3610】は、かなり明確な躁状態のエピソードがありますので、双極性障害(躁うつ病)の診断が妥当でしょう。そして双極性障害は、躁状態とうつ状態と寛解の状態があるのが通例ですので、現時点で薬なしで症状が出ていなくても、双極性障害という診断は覆りません。双極性障害では、寛解状態においても、再発予防のために薬を飲み続けるというのがごく一般的な治療です。
この【3610】に見られるぬいぐるみ収集については、パーソナリティ障害や双極性障害の成り立ちとの関連で深い意味を読み取ることも可能ですが、現実問題としては、
自分で稼いで、そのお金で買っているし、ぬいぐるみがあることで精神の安定を図れるので誰にも迷惑かけていない
というのが事実だとすれば、
30過ぎてぬいぐるみを持っていることはそんなにダメなことなのでしょうか？
決してダメなことではないと思います。
(2018.1.5.)
