【4483】精神障害者は仕事はできないのでしょうか(【2983】、【3196】、【3627】、【3911】のその後)
Q: 【3911】ADHDの治療が優先か躁状態の治療が優先か とその他にもメッセージを頂いた36歳の女性です。いつも優しい回答ありがとうございます。
近況と質問があり、メールをしました。
近況についてはとても状態は良いです。
入院前は金閣寺を燃やしたいと妄想が出ていました。
今もちょくちょく金閣寺周辺をよく散歩しているのですがそのような妄想は出ません。
でも、4ヶ月前は最悪でした。
身体障害者1級の元彼と悲恋をして、ショックで薬を飲み忘れてしまい、躁状態になり、入院を勧められました(していませんが)
そのショックを元気なものに変えてくれたのは英語でした。
私は英文を書いたり、英語を話したりする事が大好きです。
最近は英検2級を取得して、最終的には準1級を取得したいです。
そして、今まで勉強してきた語学力を活かして、フリーかアルバイトかボランティアがしたいです。
でも母親にそのような事を言うと「精神障害者は仕事はできない、英語は趣味程度にすれば?」と言われ、本当に悔しいです。
私は好きな事を仕事にしたいです。
私の場合は頑張れると思うのですが、、 元カレは働けるのに、私は働けないのがとても辛いです。
林: 経過のご報告をいただきありがとうございました。今は安定されており、将来へのプランも考えておられることはとても良いことだと思います。
精神障害者は仕事はできない
などということは決してありません。仕事をしている精神障害者の方はとてもたくさんいらっしゃいます。
ただし、症状が悪い時期にはなかなか難しいです。また、よくある失敗は、症状が回復してきたとき、まだ十分に回復していないのに仕事を始めたために症状が悪化し、結果として仕事を中断することになるというものです。このようなことがあると自信を失い、その後また症状が回復しても、仕事をすることに躊躇することになりがちです。ですから、仕事は十分に症状が回復してから始めることが大切です。
この【4483】の質問者は、これまでの経過からみて、まだ十分に回復していない段階で、自分としては十分に回復したと思い込み、性急に仕事を始めてしまい挫折する可能性が小さくありません。仕事を始めるときは、主治医とよく相談し、主治医の許可がないうちは始めないことをお勧めします。
(2022.4.5.)