【3440】精神科に通う必要はないと産婦人科医に言われた

Q: 30代女性です。X+1年8月より精神科を受診、その後いくつかの病院を転々としながら現在も通院中です。周囲にすすめられ、X+3年9月頃に障害者手帳3級を取得しました。現在子宮系の病気で産婦人科にも通っているのですが、産婦人科医から、「あなたは精神病者というよりは、単にホルモンバランスが悪いだけだから、精神科通院をやめて産婦人科だけ通っていればいい」と言われて迷っています。
以下できるだけ事実のみ記します。長くなりますがお許しください。
X年12月、それまでの仕事をやめて出版社に勤務を始める。快活で人間関係もよく仕事も順調にこなし評価も得ていた。仕事そのものはとても好きであった。
X+1年3月頃、フリーの仕事と出版業務のかけもちをしたせいか、体調を崩す。眠れない、熱がでやすい、など。内科に通院し、自律神経失調症と言われるが、投薬で改善することはなかった。そこから徐々に体調、気分を崩し、仕事でパソコンの前に座っていると周囲がガヤガヤとうるさい気がして落ち着かない、パソコン画面を長時間見ていられない、座っていられず席をしばしば離れる、仕事の能率が下がる、などの仕事にさしさわる自覚症状が出てきて、8月に精神科受診。問診で、いままでに幻覚や妄想があったことがあるか、などと尋ねられたので、現在はガヤガヤする幻聴以外はないが、過去には電車の中の人が全員知り合いのようだったり、人がうしろからつけてくるなどの妄想があったと話すと、そのせいか、統合失調症だと診断される。セロクエルという薬を処方されたが副作用がひどくすぐ中断。微妙に薬を変えていきながら、、ジプレキサ5mg2錠をメインに、アキネトン1mg2錠、ヒベルナ25mg2錠、フルニトラゼパム2mg1錠、ドラール15mg1錠、などを主に服用。幻聴などは消えるが、不眠はおさまらず、ほかに深夜の徘徊、無力感、買いもの衝動など。だんだんと通常勤務ができなくなり、単純労働職に変更してもらう。出勤も自由出勤に切り替える。
X+2年2月に病院側の処方ミスが多かったことを理由に転院。転院先では、統合失調症ではなく、躁鬱病の疑いと診断される。ジプレキサ、アキネトン、リーゼ、ベゲタミンB、ロヒプノール、ラボナなどを服用。幻聴は完全におさまるがしばしば情緒不安定にはなる。睡眠時間は日によってかなり波がある。気分も日によって波があり、躁状態と思われるときは徹夜、自分のつくりだした世界を延々記述する、自作のオブジェを毎晩作り、それをブログで発表したり、親を叩き起して解説を延々する、などをしつづける。うつのときはなにもできない、よく泣く、など。おもに睡眠障害から単純労働も難しくなり、完全休職する。休職時の診断書には(医師が「躁鬱病と書くより通りがいい」と言って)「抑うつ状態」と記述。また箱庭療法も始める。箱庭療法のカウンセラーの診断では、「統合失調症の疑い」。
X+3年5月、家族関係の悪化などから自宅に帰らず知人の家やビジネスホテルを転々とし、その間に左手首をカット、8針縫う。家にも帰らず、ホテルでも自傷行為をしたことから、入院をすすめられ、某病院の閉鎖病棟へ任意入院。しかし病院側のミスですぐに退院。このときから入院した病院に転院する。ここでの診断名は「PTSD」(過去に性虐待などをうけているため)。
X+3年7月、親と離れた方がよいと医師のすすめもあり、また弟が一緒に家を出て同居していいと申し出てくれたため、親元を離れて弟と暮らしはじめる。引っ越しと同時に出版社を退職。自宅でできる軽い文筆業をしながら、ほとんど無職の状態で療養生活。ときおり夜中に心臓が苦しくなり叫び出すなどの症状はあるものの、状態は引っ越し前にくらべ劇的によくなってきている。軽い躁状態、もしくは軽いうつ状態のようなときもあるが、おおむね通常の生活を送れている。薬も徐々に減り、ジプレキサ5mg1錠就寝前に服用のみ。
X+3年12月、卵巣の炎症で産婦人科に通いはじめる。そこで、「あなたは精神科に行く必要はない」と言われ、ジプレキサの代わりに柴胡加竜骨牡蛎湯と酸棗仁湯のふたつの漢方を服用するよう言われる。漢方を試して1週間ほどになるが、漢方の目に見える効果はいまのところなく、それよりもジプレキサを服用しない害(眠れなくなる、不安になる、そわそわする)などの方が大きいように感じる。ただ、漢方は即効性はなさそうなので、もう少し試した方がいいのか、それとも今までどおりジプレキサを飲むほうがいいのか迷っている。 以上長くなりましたが経緯です。病名が何度も変わっているのも、少し気になっています。よろしくお願いします。

 

林: 診断名については、おそらく統合失調感情障害か双極性障害(躁うつ病)と思われますが、よくわかりません。ここに書かれている主観的な内容はかなり一面的であることが読み取れ、客観的にはかなりニュアンスが異なると思われるからです。
しかし正確な診断名はともかく、少なくとも2年間、精神科的治療の必要ありと複数の精神科医に判断し続けられており、かつ、診断名が単純には決められないケースであることまでは確かと思われますので、専門外の産婦人科の医師に精神症状についての適切な判断ができるとはまず考えられません。

産婦人科医から、「あなたは精神病者というよりは、単にホルモンバランスが悪いだけだから、精神科通院をやめて産婦人科だけ通っていればいい」と言われ

その産婦人科医はあまりに無責任と言うべきでしょう。

(2017.6.5.)

05. 6月 2017 by Hayashi
カテゴリー: 病院を変えたい・変えるべきか, 精神科Q&A, 躁うつ病 タグ: , |