【3439】私は信頼できない主治医に通院を続け回復しました
Q: 30代女性です。 先生のサイトは、一年に一度くらいですが、昔から興味深く拝見しております。
【3401】主治医が信用できない。病名が疑問。で林先生は、「主治医を信頼できないなら 病院を変えた方が良い」と回答されていますが、私は、主治医を信頼してなかったけど、通い続けた結果、回復しました。
【3401】で質問されている方は、ボランティアが勉強になる、主治医に理解を得られず隠れてボランティアに行ったら結果は成功して大切な事を得られた。
この方は、主治医を信頼できないと書かれています。
私の体験と、とても良く似ています。
私も、主治医と合わず、信頼できず、今でも、ふいに思いだすと怒りが来ます。
が、成功体験は、自分の宝物であり、 主治医に分かってもらう必要はなく、適切な薬の処方、 無意識の領域に根気よく寄り添ってくれた事が、回復の手助けになりました。
私もデイケアの活動の感想を話したら主治医に即答で否定されたり、
「考え方の癖」を主治医から毎回言われたけど(合計30回くらい言われました)一度も納得しなかったです。
(それは治療目標でもありました)
私の考え方の癖、の治療方針は、主治医が間違っていたのだけど、私の治療の手助けは、適切な薬の処方と、無意識の領域に根気よく付き合ってくれた 医師との精神療法でした。
何故、私の無意識の世界を主治医と共有できたか分かりませんが、無意識の領域から症状が生まれていた事と薬の処方が適切、2回家族療法もあったのです。
症状の回復には役立ちました。
自分の体験を否定された怒りはいまだにあり 人として合わないと思うし、
自分の近況を隠したり言えないのが苦しかったけど病院を変えられなかったから、仕方なかったのです。。。
成功体験は、主治医に理解されなくても成功体験は自分の宝物になっているのではないでしょうか。
林: 貴重な体験のご報告ありがとうございました。
まず、質問文で引用されている【3401】主治医が信用できない。病名が疑問。で「主治医を信頼できないなら 病院を変えた方が良い」と私が回答しているのは、【3401】の回答内にお書きしてあるように、「この回答は、【3401】に記されている具体的内容を受けてのもの」であって、「一般論としては、「主治医Aの信用が私の中で失われている」ということを理由に病院を変えたほうがいいとは限りません。その信用失墜そのものが本人の病気の症状(妄想など)による場合が多々あるからです。そのような場合、病院を変えることは治療上プラスにはまずなりません。」が精神科特有の重要事項です。
それはそうとこの【3439】のケースでは、
私は、主治医を信頼してなかったけど、通い続けた結果、回復しました。
とのこと、メールの内容からはある意味その通りとも読めますが、他方、
私の考え方の癖、の治療方針は、主治医が間違っていたのだけど、私の治療の手助けは、適切な薬の処方と、無意識の領域に根気よく付き合ってくれた 医師との精神療法でした。
とのこと、これはむしろ質問者が主治医を信頼していたからこそ治療が継続されていたように見えますが、それはともかくとして、主治医の側から見れば、患者が自分を信頼していると述べるか・信頼していないと述べるかは、精神科の治療においてはあまり大きな問題ではなく、治療が継続できること、そして症状が改善することが目標ですので、治療としては十分に成功しているケースと言えるでしょう。
(精神科Q&Aはそれとは全く異なります。精神科Q&Aは質問者の症状が改善することは一切目標としていません。精神科Q&Aは事実を回答するものであり、したがって医療相談ではありません)
(2017.6.5.)