【4444】弟は境界性パーソナリティ障害の女から逃げ切ることができました (【2703】のその後)

Q: 以前藁をも掴む思いで、メールを送らせていただきました【2703】境界性パーソナリティ障害の彼女と、弟を、何とかして別れさせたい の40代女性です。

その後の話になります。
弟と例の女性は、先生も仰っていた通り、結局そのまま私たち家族の説得に応じることはなく音信不通になりました。
私たち家族は、捜索願を出したり、探偵業者に依頼したりして、しつこく追いかけ、向こうも逃げきれないと観念したのか、捜索願を取り下げる代わりにたまの連絡を取ることができるようになりました。

心配のたえぬどれだけかの時間が経ち、ある時また彼に会うことができました。
彼は涙を流し、彼女との関係をどうにかして断ち切りたい。と告げました。
私たちはようやく自らで決めたこの彼の決意が揺らぐ前に何としてでもこの機会を失ってはならぬと、沢山の方の協力を経て、彼女から逃げ、匿うことができました。

遠くの地に引っ越し、名前も変え、そこで地に足をつけた暮らしを、ただ毎日生きるために生きるという暮らしを数年すごしました。
一度は彼が切り捨てた友人たち、父や母の友人など、本当に沢山の人が彼を立ち直らせるために尽力してくださったお陰で、彼はまた好きだった趣味をはじめ、自分の意思で生活ができるようになりました。
彼は自分が過ごしたその女性との日々を、何ヶ月もかけて文章にしたため、自らを客観視することで徐々に自分を取り戻したようにみえました。

その女性はしばらくは彼を探していたようですが、次のターゲットが見つかったのか、いつしか諦めたようです。

この後日談をお送りするのは、もし、同じような境遇で悩んでる方がいたら、少しでも何かの力になれたらという思いだけです。
私たちは、本当にラッキーだったと思います。
この手の人からは、逃げ切るしかないということと、最後は関係を断ち切る決意をするのは周りでなく本人次第だということを、あらためてお伝えできればと思います。

最後に、これは私たちにとってはハッピーエンドかもしれませんが、その女性はおそらく今も病気で、それにより第二第三の弟も存在するのだと思います。その方たちの家族の心境を思うと、とてもハッピーエンドとは言い切れない後味の悪さが残っています。
病気が悪いのだといくら思おうとしても、その当時は女性を憎む気持ちでいっぱいでした。この病気に関わり苦しむ全ての人が少しでも心穏やかに過ごせる日が来ることを祈ります。

 

林: その後の経過をご報告いただきありがとうございました。多くの読者にとっての貴重な実例になると思います。

(2022.1.5.)

05. 1月 2022 by Hayashi
カテゴリー: パーソナリティ障害, 境界性人格障害, 精神科Q&A