【4443】自己愛性人格障害の弟について

Q: 40代女性です。
初めてメールさせていただきます。また、こういったところで質問させていただく事も初めてで失礼がありましたら申し訳ありません。

早速ですが、弟が自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティ障害)です。病院に行った事もなく、医師から診断されたわけではありませんが、本や、ネット、こちらのQ&Aなどを見る限り確実に自己愛性人格障害だと思われます。【3287】上司が自己愛性人格障害の場合 に出てくる上司そのものです。
常に自分が正しくて自分が偉くて褒められていないとすぐに「謝れ」「俺が正しいと言え」などと言葉を挟む間なく責め立ててきます。少しでも反論しようものなら「話聞けや!」「今は俺が喋ってるんやろ!」「俺に先に喋らせろ!」と喚き怒鳴り付けてきます。話聞けと言うだけでしつこく15分も20分も喚き散らしています。
そして筋の通っていない支離滅裂な自分の主張を1時間でも2時間でもしたのち、妙に丁寧な口調で「今、僕が言った事に対してあなたはどう思いますか?」「あなたの意見を聞かせて下さい。ん?」などと言ってきますが、「ん?」のときににっこり笑って小首をかしげて、でも目付きは完全におかしくて何と表現すればよいのか瞳孔が開いてるという感じで本当に不気味です。

弟は現在40歳で、1年前に15年以上お付き合いしていた彼女と別れて以来おかしくなりました。彼女とは円満な別れ方ではなく、彼女が2年前に鬱病を患い、1年ほど心療内科に受診した結果、弟からの洗脳?支配?状態から抜け出し強引に弟から逃げたという感じです。別れて以来と書きましたが、今思えば弟の自己愛性人格障害はずっと前からで、攻撃対象が彼女から私と母に向いたという感じです。私は同居しているわけでもなく電話もメールも拒否していますので実害はないのですが私に対する怒りも全部母に向かってしまっています。

弟は病院に行くよう言っても絶対に行きません。病院に行く位なら今すぐ飛び降りて死んでやると言ったり、実際電気コードを鴨居に引っかけていたり、「コードに首通してみたけど死ぬ事が全然恐くないねん」などと同情引くような事を言ってきたりします。私が絶対に死ぬ事ないから信じるなと言っても母はもしもの事を考えてしまい親心から強く出られないので強引に病院に連れて行かせる事が出来ないのが現状です。彼女サイドの誰か(本人か、親か、主治医か)から言われて自分が自己愛性人格障害であることは知っていると思われます(以前、喚き怒鳴り散らしているときに一瞬パーソナル障害という単語が出てきたので)だからこそ絶対に病院に行きたくないのだと思います。
こういった場合、どうすれば弟を病院に連れて行けますか?

また、現在弟は自営業で飲食店をやっています。母が始めたお店を弟が乗っ取ったような形で、彼女と付き合っているときは彼女と2人でやっていましたが、彼女がいなくなった今母が手伝わさせられています。私としては母の体力面も精神面も心配です。また、手伝っていると言ってもアルバイト代を貰える訳でもなく、せいぜい機嫌の良い時に余り物を貰える程度です。それどころか弟に不機嫌にされたり怒鳴りつけられるのが恐くて言い出せず機嫌の悪い時などは自腹を切って仕入れしていたりもするみたいで、70歳を超えた母は年金で生活しているので経済的にも困窮しています。
何とか手伝うのを辞めさせて弟から離したいのですが、母自身もそれを望んでいるのですが、弟から喚かれ怒鳴られ洗脳?支配?されている状態なのと、仕入れも料理を作るのも母なので母無しには店が立ち行かなくなるのと、もともと母が始めた店なのでかなりの金額を開店資金に注ぎ込んでいるので潰してしまうのが惜しい未練と、店を潰してしまった時の弟の生活を心配する親心と、もしも強引に母が辞めてしまった時に弟はどういったようになるのかわからない恐怖もあって離れられないみたいです。
こういった場合、母が無理に弟から離れてしまうといま、母と私に向いてる弟の怒りはどういった形になるのでしょうか? 例えば自殺などもあり得るのか、無差別殺人などの他者に向く事もあるのか教えて下さい。弟は外面だけは良いので私は外に向く事はないと思っていますが、母は他人を傷付ける事や犯罪を犯してしまうかも知れないことを恐れて今の状態から抜け出せないでいます。どうかよろしくお願いいたします。

 

林: これはもはや希望はないと思います。

ご懸念の自傷他害行為については、ありうるか・ありえないかの二者択一で答えるとすれば「ありうる」が答えになります。そして実際に発生する可能性は、標準的な健常者に比べれば高いでしょう。すぐに何らかの対処法を考える必要があるほどに高いかどうかはわかりません。

いずれにせよ、今のあなたにできることは現実にはないと思います。

(2022.1.5.)

05. 1月 2022 by Hayashi
カテゴリー: パーソナリティ障害, 精神科Q&A