【4145】15年以上うつ病をかかえていた彼女が躁転し別人のようになった

Q: 私は40代男性です。30代後半の女性と同棲しています。交際は3年です。彼女が15年以上うつ病をかかえているということで、一年のうちの半分はうつがでて元看護師のおばさまの家に預けられていました。その際は民間のサプリ治療が中心でしたが高額の負担と叔母さまの過干渉が重荷となり実家に戻ったのですが、お父様のうつ病に対する理解が得られず半年前から同居し心療内科を受診させました。パキシルを20mgから開始、30mgに増量してから3ヶ月後に回復し家事もできるようになり今月1日に実家に戻したのですが、少しずつハイになり15日に一気に躁転しました。そのため同居を再開。いわゆる双極性障害の躁症状の5つ以上が当てはまっており、別人のようです。慌てて主治医に診てもらいパキシルの中止とリーマス、デパスなどにチェンジして今日で3日目ですがさらに攻撃性がでてきて一日中家の中をひっくりかえして掃除をしている(はたから見てると出してるだけ)状態です。眠剤をのんでも3時間くらいで覚醒し、再度寝ますが早朝には行動を開始します。やや自覚があるようなのですがセーブできないようです。どのくらいで落ち着いてくるのか見えてこないのでこのまま置いて仕事に行ってよいのかどうか不安です。もちろん主治医との相談にはなりますが入院をさせる目安というのはあるのでしょうか?

 

林: うつ病として治療を受けていたところ、あるとき躁転し、真の病名は双極性障害(躁うつ病)であることが判明した。この【4145】はその典型的な一例になります。初回の躁病相は周囲がとても驚き当惑するというのもこのような場合の常です。

入院をさせる目安というのはあるのでしょうか

家庭でケアしきれるか、家庭で服薬を管理できるか、などがポイントになります。たとえば攻撃性があまりに強ければ家庭でのケアは無理ということになりますが、この【4145】のケース攻撃性については、

さらに攻撃性がでてきて

という記載のみですので具体的にどの程度かが不明で、攻撃性という観点からの入院の適否は判断できません。
しかし全体像からみて、入院を考慮していい状態だと思います。

(2020.10.5.)

05. 10月 2020 by Hayashi
カテゴリー: うつ病, 精神科Q&A, 躁うつ病