【3740】口渇があるほど薬を飲まなければならないのでしょうか
Q: 双極性障害のラピッドサイクラーと診断されている50代女性です。
最近、歯医者へ定期検診に行ったら歯科医に「口渇がひどいね。今飲んでる薬わかりますか?」と聞かれ、ちょうどお薬手帳を持っていたので見てもらいました。精神科の薬が原因ではないかと言われました。それ以外にはチラーヂン、高血圧の薬、トラムセットという痛み止めと大腸の薬を飲んでいます。
ちなみに精神科の薬はデパケンRを1000mg、エビリファイを12mg、ランドセンを2mg、ピレチアを40mg
40mg、ロヒプノールを2mg、ドラールを15mg飲んでいます。
最終入院は約1年前の1か月間です。
だいたい毎年、3週間程度、入院しています。今の病院にかかってから18年になりますが、入院回数は20回を超えています。
歯医者では「唾液が少なくなると虫歯になりやすいし(今のところ、虫歯はありません)おしりに便失禁のペースメーカー(仙骨神経刺激装置)を埋め込込んでいるので使えない治療器具もあるからとにかく虫歯予防、と言われています。「今の薬で躁鬱が安定しているのなら仕方ないのかもしれないけれど、、、精神科の先生に減薬を相談した方がいい」と言われました。
精神科でその話をしたら、「そんなに口が乾くような薬、出してませんよ」と言われました。眠剤はその時の状況によって増減しますが、日中飲む薬はもう3年ほど変わっていません。それでも減薬というのはありえないのでしょうか?
林: 薬の必要性は、常に症状との関係で判断すべきものです。このメールには副作用の記載のみで症状の記載が全くありませんので判断不能ですが、
だいたい毎年、3週間程度、入院しています。今の病院にかかってから18年になりますが、入院回数は20回を超えています。
という経過からみて、決して軽い病状ではなく、むしろ薬が足りないのではないかと考えたいところです。
「今の薬で躁鬱が安定しているのなら仕方ないのかもしれないけれど、、、精神科の先生に減薬を相談した方がいい」と言われました。
この言葉は、具体的にどのような状況でどのような口調・強さで言われたかによりますが、この【3740】のケースのこれまでの精神症状や経過を知らないままに言われたとすれば、やや無責任な言葉と言わざるを得ないでしょう。このように、一面的な事実に基づいて(つまりこのケースでいえば口渇だけに基づいて)減薬を示唆され、それに従って減薬したために精神状態が著しく悪化するケースは非常に多いものです。
(2018.10.5.)