【4834】自閉スペクトラム症と診断されました(【4776】のその後)

Q: 【4776】発達障害ではないと言われ、絶望しています  の28歳女性です。御回答いただきありがとうございました。

前回の質問時より少し後に、パン製造のアルバイトに従事しましたが、作業やコミュニケーションがまともにできず半ば強制的に辞めさせられました。

説明内容が一度で理解できない・何度も説明を受け漸く理解した内容も、別の作業をやるとすっぽりと頭から抜け落ちる・分からないことがすぐに聞けない 等を始めとする問題が起こりました。

その後WAISの結果について病院で説明をうけ、知覚統合の値が非常に低いことが判明しました。 最も高い言語理解の数値と比べ35の差があり、ワーキングメモリ・処理速度と比べても20ほど差がありました。

バイト先で作業が困難だったのもこの知覚統合の低さが原因の可能性があるとのことでした。
最終的に自閉スペクトラム症及び不安障害と診断され、現在就労移行支援所に通っています。
服薬は現時点ではしていません。
当然ですが就労移行支援所は企業への就労を最終目的としていて、訓練内容もそれに沿ったものとなっています。

私は自分が障害者雇用の形で就労したいのかどうか未だはっきりとしない状況です。
また、現在教習所に通っているのですが、実技が中々上手くいきません。
以前のバイト先で指摘された内容と同じようなことを注意されたりします。
講習でやり直しになると余計にお金がかかりそれがかなりストレスになっていますが、辞める訳にいかないので通い続ける予定です。
資格試験の勉強もしていますが中々時間がとれない&難しい部分でつまづき聞ける人もいないので全く進みません(分からない部分はどんどん飛ばして進めないと終わらないというのは理解しているのですが、自分の性格上それが出来ずに困っている)。
現在やっていること(ピアノ・支援所・教習所・資格勉強)で一杯一杯になり、他のやりたいことに時間も気力も費やせません。
1日の終わりにはひどい疲れと眠気に襲われやるべきことをやれないこともしばしばあります。
能力に見合ってないことをしてしまっているのでしょうか。
自分の精神不調のせいなのか分かりませんが、人に悪意をもたれたり嫌がらせを受けることが増えました。

①現在支援所で様々な講義をうけているのですが、講義をうけている最中集中が途切れて別のことを考えてたりすると、その瞬間横で待機している支援員がこちらを馬鹿にするように見ていることがあり、こちらの思考が読まれているのではないかと不安になります。

また、視界の端に映った支援員がじーっとこちらを見ている気がして不安になり、ちゃんと確認したいけどもし目があったらどうしようと怖くて中々顔を見れなかったこともあります。一度勇気を出して一瞬だけ顔を見ましたが、支援員は別にこちらを見てはおらず、その時は自分の気のせいだったのかもと思いました。

②母親から人前での演奏に耐性をつけろと無理矢理ストリートピアノで弾かされた時、演奏していると通行人から悪口を言われました。

緊張してミスするかもしれないと思い、初め楽譜を見て弾こうと考えましたが、悪目立ちすると思い結局楽譜は足元に置いて演奏しました。
演奏中「ストリートピアノで弾くのに楽譜なんか持ってきてるよ」「下手くそじゃん、向こう行こ」と馬鹿にする声が後ろから聞こえてきました。
この悪口が幻聴なのか本当に言われたのかわかりません。
この時意に沿わないことをさせられ精神的にかなり不安定な状態だったので幻聴らしきものが聞こえたのかもしれませんが、実際に言われた可能性も十分あると思います。

③支援所にはバスで通っていますが、最近行きのバスで知的障害者と思われる男性と乗り合わせるようになりました。私は元々非常に人に絡まれやすい質なので、会うのを避ける為一本早いバスに乗ることにしました。
しかし、乗るバスを早めたにも関わらずなぜか件の知的障害者が車内にいるのです。
その人は通路を隔てた隣席に座っていて、私に気づいているのかどうか分かりませんでしたが、目をつけられているような感じもしました。
なぜわざわざ時間をずらしたのにこんなことになるのか?「お前は本来支援を受けるべき人間でない・お前は障害者のフリをしているが本当の支援を受けるべき障害者はこう言う人間なのだ」と思い知らせるため私の通所ルートに知的障害者が送られているのかもしれません。

①②③について、その出来事が起こった当初は真面目に不安に感じているのですが、日数が経つと「馬鹿馬鹿しい」「本当にそんなことがあるのだろうか」という思いが強くなってきます。しかし一つ冷静になるとまた別のことで不安に感じるというパターンが続いています。
時間が経つと冷静になるということは、病的なものではないということでしょうか。
自分を病気だと思いたがっているだけかもしれません。
病院からも一応診断は下りましたが、とりあえず病名をつけたに過ぎないかもしれません。
支援所に通うにあたり診断書が必要なので診断名をつけられたのですが、医師はそれに乗り気でないように感じられました。
本当は発達障害と思われてはないのでしょうか。
現時点で服薬も一切なされていないこともそれを裏付けている気がしてなりません。
実際は何の障害もないのなら、一般雇用を目指すべきでしょうか。
援所に通う人の大半は障害者雇用を目標にしているそうですが、一般雇用を目指すなら支援所の通所は不適切でしょうか。

とりとめのない長文になってしまい申し訳ありません。
お聞きしたいことをまとめると以下になります。
・「自閉スペクトラム症および不安障害」の診断は適切なのか。適切でない場合、一般雇用を目指して頑張るべきか。
・①②③に書いた出来事は特に病的なものではないのか。

 

林: その後の経過をご報告いただきありがとうございました。
診断について、【4776】で私は「わかりません が唯一の正しい回答です」とお答えしました。今もその回答はもちろん変わりません。但し、今回の【4834】で新たにご報告いただいた内容からすると、「発達障害の可能性あり」の方向に傾いていると言えます。

・「自閉スペクトラム症および不安障害」の診断は適切なのか。

「わかりません」が厳密には正しい回答ですが、「適切か/適切でないか」 という強制二者択一で答えするとすれば、「適切である」という答えになります。

・①②③に書いた出来事は特に病的なものではないのか。

このご質問に対する答えは当然ながら、①②③に記されたあなたの主観的体験が、客観的にみて事実かどうかということにかかってきます。それについては(客観的にみて事実かどうかは)、ご本人からの情報だけからはわかりませんので、「わかりません」が厳密には正しい回答になります。が、総合的にみて、客観的に事実であったとは考えにくく(少なくとも、①②③のすべてが客観的に事実であったとは考えにくいでしょう)、したがって病的なものである可能性は非常に高いです。これらの体験を主治医の先生にお伝えし、適切な治療を受けてください。

(2024.5.5.)

05. 5月 2024 by Hayashi
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