【4212】自閉症と診断された弟について

Q: 私は19歳の大学生、男です。中学2年の弟がおり、つい最近彼が自閉症であることを親から聞かされました。昔から無愛想だなとは思っていましたが、まさか自閉症とは思いもよらず困惑しております。
我が家は父が遠方に単身赴任している都合で長期間家にいることが稀で、母も日中働いているのであまり弟の病気に関わる機会に恵まれません。そのため医療機関でケアを受けるといったことが難しい状況にあります。恥ずかしながら免許を持っていないため私が車で病院に連れて行くこともできません。弟は小学校高学年をほぼ不登校で過ごしました。おそらく周りの生徒とうまく馴染めなかったためと思われます。しかし彼が中学生に進級する際に特別支援学級のある中学校の近くに引っ越し、それからは学校にも通っています。
しかし家族、特に祖父母が弟の行く末を案じているようで、このままでは社会に馴染めずにドロップアウトするのではないかと心配しています。昨今ではこういった障害者の方々が社会に参加するための制度が整備されているとは思いますが、やはりコミュニケーションが取れないと後々困ることになるのではと思います。
長文になってしまい申し訳ありません。以下の質問が先生にお聞きしたいことです。
1 家族が弟にしてあげられることは他にありますか?
2 自閉症は治るものですか?
3 もし治らないものであれば弟は自閉症と共存したまま社会で生きていけますか?

 

林: 自閉症に限らずどんな病気でも、軽いものから重いものまで大きな幅があります。この【4212】の弟さんについては、「自閉症と診断された」という情報しかありませんので、重症度の評価が困難です。唯一評価できる材料になるのは学校への不適応で、

弟は小学校高学年をほぼ不登校で過ごしました。

彼が中学生に進級する際に特別支援学級のある中学校の近くに引っ越し、それからは学校にも通っています。

という点ですが、この記載からは「特別支援学級のある中学校」に通っているということはわかりますが、その中学の特別支援学級に入学されたか否かがわかりません。

したがってこの【4212】のケースについての情報は、「自閉症と診断された」「小学校高学年はほぼ不登校だった」ということに限られます。 (不登校の理由が「おそらく周りの生徒とうまく馴染めなかったため」というのは質問者の推定にすぎませんので、事実であると仮定することはできません)
すると重症度についてはほぼ何も情報がないということになりますので、質問に対する回答は不可能です。また、仮に重症度についての情報があったとしても、メールに示されている3つの質問は漠然としすぎておりやはり回答は不可能です。質問者がご家族としてこうしたことがご心配であることはよく理解できますが、どれも直接に弟さんを診療している医師以外には答えられない内容です。

(2021.1.5.)

05. 1月 2021 by Hayashi
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