【4279】リーマス400ミリグラムで双極性障害を予防できますか

Q: 50代前半の男性です。現在精神科に通院しております。最後に退院して6年近くになります。幻聴と妄想がありましてリントンとタスモリンを服用しています。あとデパスも。今は双極性障害(躁うつ病)の予防にリーマス1日400ミリグラム服用しています。うつの気があるのですが、坑うつ剤を飲み続けるとそう状態になってしまうのです。この前うつになったときドグマチールをだしてもらったのですが、飲み続けるうちにそう状態になりリーマスを服用してようやく収まった次第です。
お聞きしたいのは、1日リーマス400ミリグラム、朝夕200ミリグラムづつで双極性障害の予防になっているのでしょうか。リーマスは多く服用すると中毒になることも分かっています。しかし少ないと効果がないことも知っています。この間の血液検査ではリチウムの血中濃度は0.1台でした。主治医はそんなに低い値ではないとおっしゃていました。
幻聴はおさまっています。ただ妄想はありまた自分では妄想とおもっていないのです。ただそれを人に話せば、ああこの人は、頭がおかしいんだなと必ず思われてしまうので話しません。主治医や親しい同病の人や家族にしか話しません。

 

林: リーマスが十分に双極性障害の予防効果を出すためには、リチウムの血中濃度が基準値に達していることが必要です。ですから服用量だけでは十分かどうかは判断できず、リチウムの血中濃度の測定が必要になります。

この間の血液検査ではリチウムの血中濃度は0.1台でした。

数字だけで単位の記載がないので、本来はこれだけでは何もわかりませんが、通常リチウムの血中濃度は mEq/l で示されますので、0.1という記載が0.1mEq/lだと仮定すると、これでは血中濃度が低すぎて予防効果は期待できないと考えられます。

(2021.4.5.)

05. 4月 2021 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 躁うつ病