【4126】双極性障害か、薬の副作用か

Q: 私は32歳女性です。3年前の29歳の時、仕事での多大なストレスと夫の軽い女の子との遊びに対するストレスで、うつ病を発症しました。パキシルで治療を開始しました。実家に帰り1ヶ月静養しました。しかし良くならずパキシルを徐々に40まで上げました。娘が幼稚園児だったので、冬休み、春休みは早めに帰省し休養しました。娘が年長に上がり卒園に向けての行事も多く、お母様方とのやとりも多く、ストレスは重なっていました。幼稚園で張り切る分、家では動けませんでした。薬を変える方向を考えるには、安定した時期がよいでしょうという主治医のご意見で、パキシル・リーゼ・レンドルミンまたはマイスリーの服薬で1年半過ごしました。 こどもが小学校に上がりひととおりの流れができ、こどもを学童保育に入れて、変化のない時期に入りましたが、うつ状態は良くなりませんでした。主治医も薬を変えてみようかとお話しされてから2ヶ月位で アモキサン・ルジオミール を提案されました。アモキサンを主治医は選択しました。
2週間後の診察の間に躁転していました。自分では初めは元気になったと勘違いしました。が、だんだん過活動と異常なひらめきと易努性が見えてきました。次の診察ですぐにリーマスを処方して、アモキサン、パキシルもカットしました。しばらく躁的な眠らない、過活動、易怒性が続きました。こどもにあたってしまうので入院をしたいと自分で申し出て、1ヶ月入院しました。 その後、リーマス・リーゼ・ベンザリン・胃薬でわりと落ち着きを取り戻して生活でき始めましたが、ゆるくハイ&ウツを繰返しています。血中濃度が不安定(高め)だったので、リーマスはデパケンに変わりました。どうしても料理ができないので、意欲を上げたいと申し出てジェイゾロフトを50mg足しました。 そして、フラットを心がけながら、ハイ&ウツの生活をしています。が確実な躁転を体感したのはアモキサンによる薬剤性躁転だけです。しかし、潜在的に躁鬱気質があったから顕在化したのだと把握しております。それにデパケンとリーゼでなんとか過ごせているのは、軽い方なのではないかと思っています。 しかし、夫があのとき主治医がアモキサンを処方したから躁鬱病を引き起こしたと主張するのです。薬の選択ミスだと。双極性障害の診断は難しいと聞きますが。そうなのでしょうか。そういうこともあるのでしょうか。 私は、それまでの診察から、単極性か双極性か主治医も確認する意向もあったのではないかと感じてるのですが、アモキサンを飲まなければ発症せず、性格的なもので過ごせたのでしょうか。

 

林: 診断は双極性障害で間違いないでしょう。

潜在的に躁鬱気質があったから顕在化したのだと把握しております。

その通りです。アモキサンはきっかけであって、原因ではありません。

(2020.9.5.)

05. 9月 2020 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 薬の副作用, 躁うつ病