【4031】通学路や公園でもの凄い大声で独り言を言い続けている女性

Q: 私は40代の男性です。近所に出没する女性(30~40歳ぐらい)についてです。常に怒り口調で独り言を言い続けてます。(もの凄い大声で)
とにかく攻撃的な雰囲気なのです。
身なりなどはごく普通です。
現れる場所に、通学路や公園なども含まれていて、親としてはいつか、何か危害を加えられないかと心配しております。何か取るべき手段はないのでしょうか?

 

林: その女性は統合失調症でしょう。治療を全く受けていないか、受けているとしても不十分な治療しか受けていないまま慢性化してしまった状態であると推定できます。それは本人にとって大変不幸なことですが、この【4031】のように、周囲の人に強い不安を感じさせたり、時には実際に被害を受けることもあり得ます。【3113】隣人の被害妄想対策はありませんか にもご紹介したことですが、精神保健福祉法第22条に、
精神障害者又はその疑いのある者を知つた者は、誰でも、その者について指定医の診察及び必要な保護を都道府県知事に申請することができる。
という記述があります。
したがって、診察や保護の申請自体は誰でも可能です。それを受けて公的機関にどこまで実効ある動きをしてもらえるかは、地域にもよります。【3113】では「申請自体は可能だが、公的機関に実効ある動きをしてもらえるかはかなり難しい」とお答えしましたが、【3113】は隣家の住人という限定された人にとっての迷惑であるのに対し(「限定された」といっても、迷惑を受けている当事者にとっては、この【4031】より実害ありと言えますが)、この【4031】は公共の場面での迷惑ですので、ニュアンスは異なると思います。

(2020.5.5.)

05. 5月 2020 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症 タグ: , |