【3480】抗うつ薬を飲み始めてから皮膚症状や体の痛みが出たのですが、そんな副作用はないから飲み続けるようにと主治医に言われました

Q: 私は20代女性です。
どうしていいかわからないので何か答えを頂けると嬉しいです。
現在私はうつ病と診断され心療内科に通っております。
2ヶ月前頃「意欲が湧かない、何もかも面倒くさい」と主治医に伝えたところイフェクサー75を処方され、今月少しだけまた増やされました。
すると蕁麻疹が出たり、身体中が痛くなったりして動けなくなり最近入院をしました。
私はまさか薬のせいだと思わず何の病気なのかと思っていましたが、内科の担当医の方が「もしかしたら、今処方されている薬のせいかもしれないから主治医に相談して薬を変えて貰った方がいい」と言われ、主治医に電話でこういう事があったので減薬してよいかを尋ねたところ「イフェクサーはそんな副作用はない。継続して飲むように」とハッキリ言われ戸惑っています。
もしイフェクサーの副作用でそうなっているなら薬を飲むのが恐ろしいし、他の眠剤(レンドルミン、リスパダール)もできるなら飲みたくありません。
(ちなみに主治医には、イフェクサーを処方されてから「1日中寝てしまう」「身体中が痛くなってなかなか心療内科に通えなかった(再診のとき)」と何度も伝えています)

よろしくお願い致します。

 

林: あなたの今の精神科主治医は信用できません。別の医師にかかってください。

一般的には、「薬をのみ始めたら○○の症状が出た」という場合、○○が薬の副作用とは限りません。特に抗うつ薬では、うつ病の症状と抗うつ薬の副作用に似ている点があるため、副作用であるという判定にはかなり慎重を要するものです。
けれども「○○が薬の副作用とは限りません」ということはすなわち、「○○が薬の副作用の可能性もある」ということです。そして、副作用か副作用でないか判定できない段階では、もし○○が重篤な症状であって、かつ、いま飲んでいる薬に替わる別の薬がある場合には、副作用である可能性を重視して、いま飲んでいる薬をやめるか、または別の薬に替えるべきです。

ここまでが一般論ですが、この【3480】のケースでは、イフェクサーを飲み始めてから、

蕁麻疹が出たり、身体中が痛くなったりして動けなくなり

という症状が出ています。このうち、蕁麻疹については、それはすでに診断名ですので、質問者が自己診断をしていることになり、本当に蕁麻疹であるかどうかはわかりません。しかし何らかの皮膚症状が出ていることは確かでしょう。そうしますと、飲んでいる薬が何であれそれは薬疹の可能性があり、主治医の先生の言葉の

イフェクサーはそんな副作用はない。

は医学的に不合理です。
そして、薬疹の中には重篤化して生命にさえかかわる場合もあり得ます。したがって

継続して飲むように

は医学的に非常識な指示です。

また、

身体中が痛くなったりして動けなくなり

については、筋肉系の副作用が出ている可能性があり、これも重篤化して生命にさえかかわる場合もあります。そしてこの副作用については、血液検査を行えば多くの場合診断が可能です。

そして、重篤な薬疹、重篤な筋肉系の症状はいずれも、イフェクサーで出現し得ることはイフェクサーの添付文書に明記されています。(そして、仮に明記されていなくても、薬疹はどんな薬でも発生し得るものです)
したがって、

イフェクサーはそんな副作用はない。

という主治医の言葉はでたらめです。しかも医学の初歩的知識から逸脱したレベルのでたらめです。こんな医師の治療を受けてはいけません。別の医師にかかってください。

(2017.7.5.)

05. 7月 2017 by Hayashi
カテゴリー: うつ病, 病院を変えたい・変えるべきか, 精神科Q&A, 統合失調症, 薬の副作用 タグ: |