【3143】統合失調感情障害の再発を防ぎたい

Q: 47歳、パート主婦をしております。18年前に発症してから、2ー3年に1度再発をしています。リーマスを服用していた時期もあります。現在はデパケンを200mg服用しております。これまでは、自分で躁鬱ではないかと勝手に考えていましたが、最近医師から統合失調感情障害という診断名を伝えられました。ここ2年半は注意に注意を重ねておりましたが、5ヶ月前にも再発し2週間入院いたしました。現在はルボックスで欝を治療しています。

あまりに再発を繰り返すのと、その時の攻撃先がこの頃は主人になってしまうので、主人とはうまくいっておりません。自己コントロールが出来ない私にいらだつ、と言われました。病気に逃げ込めていいと言われたこともあります。

また、平常時は主人の研究室を手伝っておりますので、主人としては部下としても機能しなくなるので、よけいに苛立つものと思います。

確かにこれまでは病気を受け止めようとせず、医師におまかせ状態だったと反省しております。この病気でも、躁うつ病のように自己コントロールが可能なのでしょうか。

私の場合、妄想が出始めると1晩で手がつけられない状態になりますが、その前に活動的かつ攻撃的な時期が1月ほど続くパターンがあるように思います。ただ、この時期本人にも自覚はなく、医師をおとずれても見逃されてしまったことがあります。

長くなりましたが、病気の性質と自己コントロールの方法について、教えて頂けますと、幸いでございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

林: 症状についての記載がないので、この【3143】のケースが統合失調感情障害か否かは不明ですが、「再発を繰り返している」「リーマス、そしてデパケンが処方されている」「うつの時期もある」「妄想が出る」そして、「再発していない時期はほぼ問題ないと思われる」ことから、統合失調感情障害か、または双極性障害(躁うつ病)が考えられます。一応ここでは質問者の申告の通り、統合失調感情障害であるとして回答します。

ご質問のポイントは、

この病気でも、躁うつ病のように自己コントロールが可能なのでしょうか。

ということであると読めますが、このご質問は前提が誤っています。
つまり、そもそも躁うつ病は自己コントロールが可能な病気ではありません。もちろん自己コントロールの努力は必要で、ある程度までは可能な部分はありますが、基本的には薬を飲まなければコントロールできないのが躁うつ病という病気です。
統合失調感情障害も同様です。まず基本として適切な薬物療法が必要です。自己コントロールはその上に初めて成り立つものです。第一歩は、薬を忘れずに飲むということ。簡単なようですが、これが非常に重要です。

その観点からこの【3143】に目を向けますと、はたして薬物療法が適切かどうかがまず疑問です。

現在はデパケンを200mg服用しております。

とのことですが、デパケン200mgというのは、一般的には少なすぎて、躁うつ病や統合失調感情障害の再発防止にはほとんど意味がない量です。
「一般的には少なすぎて」と言ったのは、それでもケースによっては有効なこともあります。けれどもこの【3143】のケースは、現に再発を繰り返しているわけですから、「少なすぎて意味がない」と言っていいでしょう。

リーマスを服用していた時期もあります。

とのこと、すると再発を繰り返したたためリーマスは有効でないと判断され、デパケンに変更になったと推定できますが、そのリーマスも充分な量であったかどうかの疑問が拭えません。

病気の性質と自己コントロールの方法について、教えて頂けますと、幸いでございます。

このご質問への回答は上記の通りです。自己コントロールの努力をされることは重要ですが、この病気では、それ以前に、適切な薬物療法が必須だということです。

(2016.2.5.)

05. 2月 2016 by Hayashi
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