【2501】自分が統合失調症であることが、途方もなく恐ろしい

Q: 【2425】自殺に失敗しました【1702】統合失調症で治療中です。両親から働けと言われるのが死ぬほどつらいです、 【1639】脳の傷と統合失調症の関係を語る医師は、【1533】と同一人物でしょうか でお世話になった統合失調症の20代女です。 あれからまた薬を飲みだしました。 病気の症状は落ち着いていると思います。 しかし、幻覚妄想は完全には消えていないようです。 というのも私は稀に道ですれ違う人等全く面識の無い人間に「デブ」など嫌な事を言われる事があるのです。 頻度は月に一度ほど、内容は多彩で「デブ」「女力士」、この間は予想外の言葉「あばずれ」という言葉で罵られたり、最も最近では居酒屋の客引きにうわっという言葉とともに飛びのかれたりしました。 私には声だけでなく、実際に飛びのかれたり、指を指されたりしているように感じられます。 そのため、私はそれらの現象を全て現実の事として捉えていました。 それを軽い気持ちで主治医に話したところ、それは幻覚妄想だと指摘されました。 それを聞いて私はとても恐ろしくなりました。 今、聞こえているもの、見ているもの、感じているもの、考えていること全てが信用ならなくなりました。 自分自身の根底を揺るがされるような恐怖でした。 そして私にはそれらが現実であるか否かを確かめる術がないのです。 今も私にはそれらの「幻覚妄想」が全て現実の事として感じられています。 「幻覚妄想」の内容は全て私自身の力で覆すことのできることばかりです。 デブと言われたら痩せればよい、ブスと言われても最悪美容整形など様々な手段が存在します。 全く身に覚えのない事柄だったら気にする事無く堂々としていればよいのです。 しかし、「私の頭が狂っている」という事実はどんなに努力をしても変えることはできない。 かつての主治医が私に病名をなかなか教えたがらなかった事が思い起されます。 かつての主治医は私が病名を訪ねても、段々改善しているのだから気にする必要はないのだといつも私をはぐらかして話題を変えました。 当時の私はその態度に何か引っかかるものを覚え、処方されている薬を電子辞書の『医者から貰った薬がわかる本』で調べました。 そこには見慣れない「統合失調症」という病名とともに「精神分裂病」という病気が記されていました。 その病名を見た瞬間、私は自分は何かとても重大な病に罹ったのだと確信しました。 さらに家庭の医学やインターネットで情報を集め、深い絶望に見舞われました。 書店で統合失調症に関する本を読み思わず号泣したこともありました。 端的に言えば私の頭が狂っている事、自分の将来に希望があまり望めない事を知ってしまったからです。 そして現在に至るまで私は大変な努力をしてきました。 今も夢に向かって更なる努力をしています。 しかし、どんなに努力を積み上げても、かつて私が自らの病名を知った時に覚えた絶望からは生涯自由にはなれないのだということを今回の事で知ってしまいました。 頭を取り換えることができない以上、私は生きている限り自分の気が触れているという呪縛から逃れることができないのです。 しかも、それを理性的に制御する術を私は持たない。 それが途方もなく恐ろしく、あまりにも苦しいので今日はメールを送らせていただきました。 ただ、読んでくださるだけで救われます。 本当にありがとうございました。

 
林: 恐ろしくても苦しくても、あなたは間違いなく改善に向かっていると思います。今の治療を続けて、夢に向かって前進してください。

(2014.1.5.)

05. 1月 2014 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症