【2425】自殺に失敗しました(【1639】、【1702】のその後)

Q: 20代女性です。私は統合失調症と言われています。【1639】脳の傷と統合失調症の関係を語る医師は、【1533】と同一人物でしょうか   【1702】統合失調症で治療中です。両親から働けと言われるのが死ぬほどつらいです で回答いただいた者です。
私は今、とても苦しい状況にあり、他にこの気持ちを吐露できる場所がないのでメールさせて頂きました。 数か月前、服薬をやめました。 薬剤師など、いろいろな人からその薬は体に良くないと言われたり、私もこの粒を飲み下さなければ気が触れるのかと内心忸怩たるものがあり、やめてしまいました。 数か月は普通に生活していました。 ところが数週間前突然問題がおこりました。 私は今、立ち向かわなければならないことがあります。 詳しくはかけませんが、表現するならば社会復帰にチャレンジしていると言えば解かりやすいでしょうか。 しかし、私はそれに対しての努力を一切していないことに気づいてしまったのです。 周囲にはとても努力しているように見えます。 しかし、私はこれまで何の努力もしてこなかったのです。 私はなんと怠け者なのだろう、そう思い、それならばこれから始めるしかないとなんとか頑張ろうとしましたが、どうすることもできませんでした。 その時、私は自殺すればすべてを終わらせることができるのではないか、そう思いました。 確かに死んだらどうなるかわかりません。 しかし、明日のことを考える必要はなくなる、そのことだけでも私にとっては僥倖なのです。 この世界は苦痛に満ち溢れている。 苦痛のない人生はない。 しかし、もう私は如何なる苦痛も味わいたくはありません。 しかし、私は死ぬことができませんでした。 包丁で胸を刺そうとしても刃が体に入っていかない、首を吊るために紐を用意してもそれに体重をかけることができません。 薬なら飲み干せてしまうような気がしますが、かつて私はその方法で失敗しました。 ブロムワレリル尿素という成分を含んだ錠剤を致死量の倍の700錠集め、吐き気止めを用意するつもりでしたが、半分ほど集めたところで衝動的に飲んでしまい失敗しました。 私をこの世界に繋ぎ留めるもの、それは生きるという生物の持つ本能なのかもしれません。 私は、本能的に持つ死への恐怖と絶望と恐怖しか感じない生への恐怖の狭間で立ちすくんでいます。 今のところ何とも言えませんが、幻覚も妄想も無いと思います。 つまり、これは私の純粋な気持ちなのでしょう。 それに、たとえ薬を飲んだとしても立ち向かわなくてはならない現実もこの世界に存在する苦痛も消えてはくれません。 では、なぜこのメールを送らせて頂いたのか。 私は本当に苦しんでいる姿を誰にも見せることができないのです。 裏切っていていえることではありませんが主治医に対してさえも、です。 ただ、読んでくださるだけで救われます。 ここまでお読み頂き本当にありがとうございました。

 
林:
数か月前、服薬をやめました。

それは、まずかったです。

数か月は普通に生活していました。

統合失調症の人が薬をやめても、しばらくは大きな問題は発生しないのが普通です。けれどもその後必ずといっていいほど症状が再発します。

 ところが数週間前突然問題がおこりました。

それが再発です。再発はこのように、本人にとっては、再発とは認識されず、病気とは別の問題がおこったと感じられることが多いものです。

私は死ぬことができませんでした。

幸運でした。
最初に申し上げた通り、薬をやめたのはまずかったです。それが今のあなたの苦しみの原因です。しかしまだ間に合います。また薬を飲んでください。

(2013.8.5.)

05. 8月 2013 by Hayashi
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