【4115】擬態うつ病だと思っていましたが、躁うつ病の薬を飲んだら意外にも症状がかなり改善されました(【2315】のその後)

Q: 【2315】私は擬態うつ病だと思うのですが、それでもお薬を飲むべきなのでしょうか ではお世話になりました。あのとき40代でしたが、今は50をちょっと超えました。
相変わらず、クリニック通いは続いています。ご連絡が遅くなって失礼致しました。
あのあと、うつではなく、躁うつの治療をしたら、かなり症状が改善されました。あるとき、いきなり処方されるお薬の量が激減し、びっくりするやら不安になるやらでしたが、それが、うつ治療から躁うつ治療への転換期だったのでしょうか。いつの間に躁うつ治療に切り替わったのか、説明はなかったので良くわかりませんが、今では、寝る前にリフレックス錠15mgを1錠、朝起きたらエビリファイ錠3mgを1錠飲むだけです。しかし、それで、遅刻するようなことも激減しましたし、我ながら仕事の能率も良くなってきたように思います。夜は時にあまり良く眠れないこともありますが、眠れなくて睡眠不足でフラフラになるようなことはなくなりました。自室は相変わらず散らかり放題で、お掃除すらままなりませんが、何とか日々の仕事に必要なものはすぐに取り出せるようにはなっています。
お薬以外でも、とある仕事先からお役ご免を言い渡されましたが、その仕事先がいろいろとストレスフルだったので、クリニックの先生からは、辞められてかえって良かったのではないか、と言われました。
ただ、まだまだ少しばかり気合を入れて頑張ってしまうと、その後でどっと落ち込んでしまいます。クリニックの先生は、仕事でどうしても頑張らなければならないときは、このあと落ち込みが来るぞ、と思っていなさい、とおっしゃいます。まだまだ根性が足りませんね。
それにしても、私の場合、本で読むような躁状態(お買い物をしまくる、元気になり過ぎてご近所に喧嘩を売る、など)にはなっておらず、うつの症状にのみ悩んでいるのですが、躁うつの治療(とクリニックの先生には言われました)で軽快するとは意外です。そもそも、うつと躁うつの治療方法がそこまで違うということに驚きでした。
お薬の量は激減しましたが、まだまだお薬は飲み続けないといけないようです。2週間ごとのクリニック通いはやや負担ですが、ぶり返してはつまらないので、何とか頑張りたいです。

 

林: その後の経過のご報告をいただきありがとうございました。【2315】の記載からは、質問者の病名ははっきりしませんでしたが、今回の【4115】からは、双極性障害(躁うつ病)であったことがわかります。診断が確定し、適切な治療を受け、病状が改善・安定されて何よりと思います。この【2315】〜【4115】のように、当初うつ病かどうかはっきりしないうつ状態だったり、あるいはうつ病と診断されているものの薬が効きにくかったりした場合、実は正しい診断名は双極性障害で、処方を大きく変更することによって著明に改善することは少なからずあります。【4116】もご参照ください。

 お薬の量は激減しましたが、まだまだお薬は飲み続けないといけないようです。2週間ごとのクリニック通いはやや負担ですが、ぶり返してはつまらないので、何とか頑張りたいです。

通院は必ず続けてください。服薬をいつまで続けるはこの【4115】のケースでは難しいです。再発防止という観点からはずっと続けた方がいいことは確かですが、それだけの理由で薬を飲み続けるべきかはケースバイケースです。たとえば、再発すると急激に悪化し、生活が著しく破綻するようなケースでは飲み続けたほうがいいと判断されるのが常ですが、この【4115】は少なくともこれまでのところはそのようなケースにはあたりませんので、現時点では決められません。主治医とよく相談のうえ適切な方法をとってください。

(2020.9.5.)

05. 9月 2020 by Hayashi
カテゴリー: うつ病, 精神科Q&A, 躁うつ病