【3952】ADHD 治療の最終目標について
Q: わたしは20代の大学生で、最近心療内科に通い始め、ADHDであるという診断をいただきました。担当医の先生から、 「ADHDは治療薬の服用により注意力のある思考回路を身につけ、最終的には薬を服用せずとも問題ない生活を送れるようになるのが目標である」という趣旨のお話を伺いました。
そこで疑問に思ったのですが、「薬を服用せずとも問題ない生活」というのは一般的にどのようなレベルを指すものなのでしょうか。担当医の先生から伺ったところによると、人はみな誰しも注意欠陥であったり多動であったりする面を持ち合わせるものの、その性質が社会生活を営む上で問題になるほど強い患者さんをADHDと診断すると仰っていました。
では、ADHDが「治療」されたと言える注意力の目安は、どのくらいの水準であると考えればよいのでしょうか。やはり各々の患者さんが過ごすコミュニティが違う以上、本人がこれ以上の服薬は必要ないと感じるまで続ければよいのでしょうか。わたしは今「ふつうでない」水準にいると思われるので、果たしてどのレベルまで治療を続ければ「ふつう」の水準へ至れるのか、あまり想像ができないのです。
林:
担当医の先生から伺ったところによると、人はみな誰しも注意欠陥であったり多動であったりする面を持ち合わせるものの、その性質が社会生活を営む上で問題になるほど強い患者さんをADHDと診断すると仰っていました。
基本的にその通りです。
担当医の先生から、 「ADHDは治療薬の服用により注意力のある思考回路を身につけ、最終的には薬を服用せずとも問題ない生活を送れるようになるのが目標である」という趣旨のお話を伺いました。
このうち、
最終的には薬を服用せずとも問題ない生活を送れるようになるのが目標
についてはその通りです。
ADHDは治療薬の服用により注意力のある思考回路を身につけ、
については、これが正確な説明と言えるかどうかはやや問題がありますが、おおむねその通りです。
そして、
そこで疑問に思ったのですが、「薬を服用せずとも問題ない生活」というのは一般的にどのようなレベルを指すものなのでしょうか。
質問者がそのような疑問をお持ちになるのはもっともだと思います。
けれども、
では、ADHDが「治療」されたと言える注意力の目安は、どのくらいの水準であると考えればよいのでしょうか。
それは一概には答えられません。
やはり各々の患者さんが過ごすコミュニティが違う以上、本人がこれ以上の服薬は必要ないと感じるまで続ければよいのでしょうか。
ご本人の認識は重要なポイントではありますが、他方で、ご本人の認識は客観的には誤っていることもよくありますので、信頼できる人からの客観的な意見も参考にすることが大切です。
(2020.1.5.)