【3900】娘の友人(15歳、ADHD)からの身の危険を感じている
Q: 私40代主婦、娘16歳です。ADHD と診断された娘の友人C(15歳少年)についての相談です。Cは娘の中学2,3年の時の同級生です。本人によると3歳頃から保育園の先生のトイレを覗いたり、多動で、7歳頃にADHDと診断されたようです。小学校低学年で、先生のロッカーからお金を盗み、学校の備品のビデオデッキ数台を盗み売りさばき、盗んだバイクを無免許で乗り回し事故を起こし、知り合いの不動産屋に押し入り現金を盗み捕まり、アダルトビデオを違法コピーしては売りさばき、引ったくり、万引き、飲酒、喫煙の生活を繰り返し、小5で1年半、中1で1年間、都立梅が丘病院に入院歴があります。本人は過去の犯罪歴をまるで反省する様子もなく、私に明るく話します。
Cの両親は小5の時に離婚、Cは幼い頃から父親による慢性的な虐待を受け、マンション3階から転落させられたことによる脳の外傷もあるようです。母親は若い時からの飲酒、喫煙、彼の話によると父親に虐待を受けている時も見て見ぬ振りをし助けてくれなかった事があり、両親への不信感、ADHDが遺伝性の強い病気と言うこともあり、病気になったのは親のせいと強く思っているようでした。事実、彼の父はてんかんもあり、仕事が長続きせず、母親に対しても暴力的であり、母は家を片付けることができず、足の踏み場もない状態で、ご飯も作ってくれないという環境で育ったようです。現在は母、姉二人の4人暮らしです。幼い頃から慢性的に家出を繰り返し、家族喧嘩が原因の時は何日帰って来なくても、家族は探したり心配したりせず、むしろ帰ってくるなと言われていたようです。
私の娘は生まれつきの心臓病で色々な事を経験させたことがなく、引っ込み思案の性格でしたが、積極的にアプローチしてくるCと中3の夏から付き合うようになって、彼の優しく話し好きで、パソコンが得意の物知り博士という明るい印象に魅力を感じ仲良くしていきました。Cは最初の頃は娘の体を気遣いとても優しく接していてくれました。娘の体が心配なのと彼の病気がどういうものかわからなかったのもあり、デートは殆どの場合、私の運転する車で3人で出かけるという事が多く、Cの行動は常に私の監視付きでした。今となってはCの嘘だったかも知れませんが、ご飯を全然食べていないと言うので家に来る時は必ず、昼、夜を食べさせていました。私を母親のように慕い、甘え、だんだんと電話も娘にではなく私にかかってくるようになりました。半年もしない内にCの言葉遣いが荒くなり、約束を守らなくなり、出かけた時にかかる一切のお金も払わなくなりました。家に来るのも、始発で来たり、終電までいたり、時間を構わず夜中でもかけてくる電話、メールにすぐ返事をしないとキレる事が度重なり、その都度激昂し相手を怒鳴りつけ、相手が電話に出られない事情を汲み取ることはできず、一方的にオメエが悪いと決め付けるようになりました。
私の家は夫が単身赴任中で、Cも面識がありますが、夫には豹変した姿を彼は見せません。息子二人もいますが、次男は別居、長男は帰宅も深夜で、殆ど娘と二人暮らしのような生活です。夫か長男がいる時は、Cの行動にも少し歯止めがかかりますが不在が多く、Cも我が家の事情を把握しています。
10ヶ月ほど前まではADHDの薬も服用していたので、日中はけだるそうに眠そうにはしていましたが、よく笑い話好きの可愛い子という印象でとても多動とは思えない様子でしたが、薬を飲むと半日寝てしまって授業を受けられなかったり、彼のお母さんによると元々色白だった彼が薬を飲むようになり、色が浅黒くなったのは肝臓が悪くなったせいだと思い込み、薬を飲ませなくなりました。その頃から彼の攻撃的性格が徐々に出始め、暴言を吐いては、謝り、二度としないと言う約束をしたのに、又暴言を吐く・・・の繰り返しになりました。
せっかく入学した定時制高校も2週間で喧嘩をし停学となり、今も殆ど行ってない様子です。ただ、私が優しく接していれば、私の為に頑張って通うと言い、事実、何度かは通い、留年は免れているようです。同年代に友達は殆どなく、Cの病気を知っている大人、過去に関わりのあった児童館の先生、学校の先生等、ごく数人の大人にだけ心を許し、色々話をしているようです。
高校入学の時に、パソコンを買うことになり、親が自己破産しているのでカードを使えないから貸してくれ、バイト代ですぐ返すと言われ、金額が大きかったので彼の母親にも連絡し、母親了解の下、お金を貸しましたが、その後バイトもすぐ辞めお金も返ってきません。そればかりか、学校へ通うのにかかる交通費、食事代も自分が使い込んだり、親から貰えない日もあったりで、私にしょっちゅう貸してくれと言いに来ます。
私が心配しているのは、最近Cの行動がエスカレートしてきていて、身の危険すら感じるようになった事です。キレるきっかけがあまりにも些細な事なのに激昂し、恫喝し、夜中に家に突然やってきては、出てこないと周り近所の家の車のフロントガラスを割ってやると脅し、私が出て行くと最初は興奮状態ですが、話をするうちに落ち着いてくるという状態です。最初は私の留守中に家に来て、玄関の鍵に糊をつめるといういたずらでしたが、最近では私の目の前で堂々と嫌がらせをします。
ただ、Cの言いなりになってばかりいるのも良くないと思い、出て来いと言われても出て行かなかったら、車に付いているバックモニターカメラに煙草の火を押し当て見えなくし、私の見ている目の前で後ろのナンバープレートを外そうとしてめちゃくちゃに折り曲げ、自転車カバーに煙草で穴を開け、レシートに火をつけ家を燃やしてやる、私をここに住めなくしてやると次から次へとし、困り果てた私が警察に連絡するよと言うと、すればこんな事位じゃ済まないって事は、オメエが一番良くわかっているだろうと、脅されます。彼の携帯、パソコンにはアダルトの卑猥な動画が氾濫し、私や娘に見せようとしたり、キレた時には、アルカイダが人質の首を切り落とすモザイクも何もない残酷な映像を私と娘の携帯に送りつけてきました。彼のお母さんに助けを求めますが、彼のお姉さんが彼の事で電話してこないでくれと言い、警察に電話して構わないと言います。そしてお母さんも具合が悪いから電話には出られないと言い話ができません。
落ち着いている時のCは、私を頼り、信じ、優しい顔つきで自分がした事を反省します。自分では一旦キレると止められない、そんな自分の病気を恨み悩んでいる様子です。そんな子を見ていると、私を信じているこの子の将来を考えたら警察を呼ぶべきではないと思い、我慢するしかありません。落ち着いている時のCに、薬を飲んだら・・?病院に一緒に行こうか・・?と言いますが、他人の私が付き添って行ける筈もなく、彼自身も薬に頼りたくないという気持ちと、強制入院させられた嫌な思い出があるため、医師を信用していないようです。
Cを見ているとこのまま治療もせずにいると、ADHD→行為障害→反社会性人格障害と発展していくような気がして心配です。
私には暴力を振るわなかったCが(以前は物を投げつけるとか、運転中の私の背中を後ろから蹴っ飛ばす行為はありました)、夜中に突然来て、出て来ないと周りで騒ぎを起こしてやると言い私を呼び出し、出て行くと、左手には太い針金をぐるぐる巻きにし、振り返らずに歩けと言い、近所の公園に連れて行かれました。この時は殺される恐怖すら感じました。公園のフェンスに後ろ手に縛り上げられ置き去りにされましたが、なんとか自力で抜け出すことができました。ただこのまま家に帰れば又Cがやってきて同じことの繰り返しになると思い、戻ってくるのを待っていました。Cは飲み物を買ってすぐ戻ってきて、ほどけた私の腕を見て最初は興奮し、私を突き飛ばし、倒れた私の背中を叩き、首を掴みましたが、次第に興奮が収まると、私に飲み物を飲ませ、謝りました。
興奮の収まった彼を置いて私が家に帰った時は夜中の3時でした。Cは睡眠障害もあるのか、1日2,3時間の睡眠しかとりません。
この事は私も大きなショックで立ち直るにも時間がかかり、警察にも相談しました。警察は彼の過去の犯罪歴と照合し、被害届けを出しても結局はすぐ出てきては又同じことの繰り返しで、かえって出所が知れ、不安な日々を送ることになるといいます。私も逆恨みされるのではという心配はぬぐえません。
最近では、私の職場に無言電話を何十回もかけてきたり、私の年老いた母にまで無言電話をかけてきます。私の母の家にも行った事があり、お正月にはお年玉も貰い、ご飯をご馳走になり、喜んでいたにも関わらず、今ではババアと呼び、彼の標的です。私を苦しめるためには、一番私が大切にしている家族や周りの人を傷つければいいと心得ています。
今は、Cからのメールも携帯電話も拒否するようにしていますが、家に突然来ることがあり、家の電話は拒否することができず、どう対応していいのか困っています。
キレさせるような事があれば、娘を学校帰りに待ち伏せしてやるとか、長男のバイト先が彼の自宅のすぐ近所なので乗り込んで行ってやるとか、家族の身の危険もあり、なるべくCの言うようにしていますが・・・私も夜も寝られず、食欲もなく、起きると頭痛に悩まされ、体調も悪く、Cに、体調が悪いから会えないと言うと、俺のせいだって言うんだな、お前はいつも人のせいにすると、反対に怒鳴りつけられます、もうどうしていいかわかりません。
どこにどう相談すればいいのか、彼の親御さんも私からの電話は迷惑がり出てくれません。
私自身が死にたい気持ちでいっぱいです。彼に親切にした事で、家族の楽しかった生活が壊され、何よりも私が笑えなくなったことで家族の中にどんよりとした空気が流れています。Cとうまく離れられる方法はないでしょうか・・・・・・・宜しくお願い致します。
林: これは質問者が一人で対処できるレベルのものではなく、ましてやネットで相談して妙案が出される性質のものでもありません。かなり危険が切迫している状態であることは間違いありません。一般論としては、「一人で悩まず、可能な限り人の助けを求めること」とまでは言えますが、もはやそんな抽象的なアドバイスは有効とは言えないでしょう。単身赴任中のご主人様にはこの状況を十分にお伝えになっておられるのでしょうか。メールの中にはご主人様からの支援についての記載がほとんど皆無ですが、ご家族の一人一人への危険が否定できない状況ですから、一家全体で対応を話し合い、行動することが必要でしょう。
なお、医学的な事項に限って言えば、これはADHDとしての薬物療法が必須のケースです。頭部外傷の既往もあるとのことですので、あるいは症状には脳損傷の影響もあるかもしれませんが、いずれにせよ薬物療法が必要です。
10ヶ月ほど前まではADHDの薬も服用していたので、日中はけだるそうに眠そうにはしていましたが、よく笑い話好きの可愛い子という印象でとても多動とは思えない様子でしたが、
このように薬に効果があったことは確実で、しかし、
薬を飲むと半日寝てしまって授業を受けられなかったり、
ということであれば、処方の調整は必要だとしても、薬物療法そのものは中断すべきでなく、
彼のお母さんによると元々色白だった彼が薬を飲むようになり、色が浅黒くなったのは肝臓が悪くなったせいだと思い込み、薬を飲ませなくなりました。
このようにご家族が不条理な対処を選択したために、悲惨な経過になるのは残念ながらしばしばあることです。
その頃から彼の攻撃的性格が徐々に出始め、暴言を吐いては、謝り、二度としないと言う約束をしたのに、又暴言を吐く・・・の繰り返しになりました。
という結果とその後の経過を見れば、薬物療法が必須であると考えざるを得ないでしょう。
(2019.10.5.)