【3899】 人間のパーソナリティって量子的だと思いませんか

Q: 大学生の男です。人間のパーソナリティーと精神疾患について、特に勉強してるというわけではないですが、非常に興味があり。
いつも大変興味深く林先生のQ&Aを拝読しています。

特に林先生の解離性人格障害に関する記述について、
『解離性人格障害を全て詐病だと言い切る極端な人もいるが、実際には、ある側面では詐病にも思えるが、ある側面では精神疾患的でもあるというのが正しいと考える』(すいません、引用がヘタクソすぎますね……)
という林先生の見解は自分がなんとなく考えていた「人間のパーソナリティは量子的」である
という発想に近く、特に質問はないのですがたまらなくなってメールを送ってしまいました。

ここでいう量子的とは、量子が観測されるまでは存在する時と、存在しない時の両方の確率があり、観測された時点で収束するという性質になぞらえて、人間のパーソナリティも同様に様々な性質があり、観測された時点で特定のパーソナリティに収束するという発想です。

人間のパーソナリティは量子的、この自分の考えた一説が気に入ってるので100点満点でど のくらい素晴らしいのか評価してください。

ちなみに自分はADHDです。

 

林:
ここでいう量子的とは、量子が観測されるまでは存在する時と、存在しない時の両方の確率が あり、観測された時点で収束するという性質になぞらえて、人間のパーソナリティも同様に様々な性質があり、観測された時点で特定のパーソナリティに収束するという発想です。

ある意味では興味深い考え方であり、また、ユニークな発想であると言えますが、他方でこのユニークさは精神病的な思考の逸脱を感じさせるものでもあります。結論としては、優れた発想か、病的な発想か、判断できません。(その二つには違いがないという考え方もありますが、ここではそこには立ち入りません)

人間のパーソナリティは量子的、この自分の考えた一説が気に入ってるので100点満点でど のくらい素晴らしいのか評価してください。

私には評価できません。

(2019.10.5.)

05. 10月 2019 by Hayashi
カテゴリー: ADHD, 精神科Q&A