【3829】主治医に少しずつ伝えることができています(【3759】【3672】のその後)
Q: 【3759】診断は解離性障害でした、【3672】転換性障害の診断やいまの症状についての30代女性です。前回もご回答いただきありがとうございました。
現在、通院は続けています。診察では、全く言葉が出ず緘黙の状態が1年数ヶ月前の初診時から続いていますが、最初から主治医の先生が筆談を勧めて下さるので、少しずつ書いて伝えられるようになってきました。
伝えられる内容はその日の体調や、その時いちばん困っていることなど、一度の診察に1つか2つくらいで、過去のことやあまり深入りしたことはほとんどお伝えしていません。それでも、緊張からかはじめの頃は筆談もまったく出来ない状態だったので、進歩していると思います。ひとつくらいは何かお伝えすることを考えてから受診するようにしています。考えていかないと、その場では何も出てこないのです。
なぜかわたしは自分の考えていることや、状況・状態を知られることがおそろしく感じられ、なかなか必要なことを伝えられません。今は生活が立ち行かなくなりそうな状況ですが、相談先もよく分からずそれを主治医の先生にお伝えすることも憚られます。これが何故だか自分ではまったく分かりませんが、自分のことを知られるのはこわいです。
でも、身体の痛みに苛まれて何の病気かも、原因も治療できる場所も分からないまま1年以上寝込んで、ある病院の医師の診断によると線維筋痛症だと分かってからは、もうのんびりとその時できることをやって暮らしていこうと考えるようになり、今の心身の状態ではそれ以上のことは実際のところ出来ないので、あまり焦ったりすることもなく、生活がギリギリ綱渡りでも、何とか暮らしていけるんじゃないかなと思って過ごしています。
今回は質問ではないのですが、現在の状況を林先生にお伝えしようと思いメールした次第です。
お読みいただきありがとうございました。
林: 経過のご報告をいただきありがとうございました。
伝えられる内容はその日の体調や、その時いちばん困っていることなど、一度の診察に1つか2つくらいで、過去のことやあまり深入りしたことはほとんどお伝えしていません。それでも、緊張からかはじめの頃は筆談もまったく出来ない状態だったので、進歩していると思います。
それは大きな進歩だと思います。
精神科の治療は時としてあまりにゆっくりとしか進まないように見えることがあり、さらには、遅々として全く進んでいないように思えることがありますが、先を急ぐとかえって治療そのものが崩壊してしまうものです。
もちろん急速に治療効果が出ることもありますが、この【3829】は、ゆっくりと先に進むことを目指すのが最善のケースだと思います。
その意味では、これまでの経過は、治療がとてもうまく進み、回復に向かって歩んでいるとみることができます。ぜひ今の主治医の先生の治療を受け続けてください。
(2019.5.5.)