【3660】サインバルタを飲み始めてから不眠になった
Q: 40代女性です。
やる気が出ない、涙が勝手にでる、消えたいなど気持ちが強くなり、今年の初めから心療内科に通い始めました。サインバルタ30mgから翌週60mgになり、3週目くらいか劇的に気持ちが上向きになり、効果を実感しているのですが、寝付けないのと、途中覚醒で1.2時間おきに起きてしまうようになりました。眠り自体もとても浅く起きているのか夢を見ているのかわからない感じです。
眠れないことを主治医につたえ、サインバルタの副作用かきいたところ(メーカーのページにも体験談にもサインバルタによる不眠の情報は素人でもたくさんみつけられます。)、サインバルタの副作用ではないと断言できます、と少し怒ったように言われました。断言の根拠をきいたことろ、副作用はレアだから、という薄い根拠でした。
レンドルミンでは眠れず、現在サイレース1mgでなんとかねています。
副作用を曖昧な理由でないと断言する医師に不信感があるのとともに、サインバルタと思われる不眠をサイレースというまた強い睡眠薬でねじ伏せていることに少し不安があります。
私はこのままでいいのでしょうか?
サインバルタを服用前は睡眠には問題はありませんでした。
林: サインバルタの副作用としての不眠は、高頻度とは言えませんが、あり得るものですので、この【3660】のケースの経過からみて、不眠はサインバルタの副作用である可能性は十分あると言えます。
医師が言ったとされる、
副作用はレアだから
が根拠になり得ないことは明らかです。(薄い根拠とさえ言えません。レアだから副作用でないとうのは全くの無論理で話になりません)
けれども、では、サインバルタを中止すべきかどうかということは全く別の問題です。薬には多かれ少なかれ副作用はあるもので、薬を飲み続けるかやめるかは、副作用によるマイナスと、効果によるプラスのバランスを考えて決めることだからです。
抗うつ薬はサインバルタ以外にもたくさんありますから、不眠という副作用を理由に他の抗うつ薬に変えるというのは一理ある考え方です。
しかし、他の抗うつ薬も同じように効くとは限らず、この【3660】のケースにサインバルタがとてもよく効いていることは確かですから、あえて変えるリスクを犯す必要はないというのもまた一理ある考え方です。
すると、不眠という副作用によるマイナスがどのくらい大きいかということが問題になります。
サインバルタと思われる不眠をサイレースというまた強い睡眠薬でねじ伏せていることに少し不安があります。
その気持ちは理解できますが、サイレース1mgを飲むことが「強い睡眠薬でねじ伏せる」とまで言えるかとなると、通常はそうは言えません。
以上を参考にどうされるかお決めください。
このメールの情報から判断する限りにおいては、サインバルタがこれだけ効いており、副作用がサイレース1mg程度で対処できているのであれば、このままの治療を続けることを私ならお勧めすると思います。
(2018.4.5.)