【3453】自分が病気であることへのこだわりが、少しずつ薄れているように思います(【3227】のその後)
Q: 【3227】統合失調症は、回復した後も本質的には病識が無いといえるのでしょうか?の質問をした 30代男性です。今、自分の質問文を読み返すと、何としても林先生にご回答頂きたく、必死になって質問文を書いていたのだなあと、恥ずかしく感じます。私が先生にご回答を頂いたことを知った瞬間は、身体が震え、冷静でいられなくなりました。web上に記録が残るというのは、こういうことなのか… と身構えてしまいました。
その後、【3278】統合失調症の妄想は時代によって変わるのか?についての回答の中で、先生は、自我障害について説明されていました。私は、病識のことよりも、このことをもっと早く知りたかったんだなあ。と。とてもスッキリした気分になりました。
今の私は、自分が病気であること、障害があることそのものへのこだわりが、少しずつ薄れているように思います。そのことは少しばかり不安ではあります。
約一年ほど、エビリファイの注射を受けています。数か月前まで、寝る前にゾルピデムを処方されていた期間は、いくつかの失敗をしでかしました。この一ヶ月ほどは、気持が穏やかなときは、寝る前に薬を飲まなくとも、眠れるようになりました。ただし、少し眠りが浅い気がします。体が落ち着かないために、眠れないことに気づき、主治医には、夕食後だけではなく、寝る前にもパーキネスを加えてもらいました。
私は、私と同様の病気の方と閉鎖病棟で和やかに過ごした期間があります。その頃のことを思い返しても、やはり、私は本当に統合失調症なのか、その点については、たまに思い悩みます。ですが、この悩み自体も、案外私が無知・不勉強なだけであって、仮に別の障害であったとしても、現在の病名であること、現在の治療を受けていることに、さほどの問題は無いのかもしれない。そのように考えたりしています。
長文になるほど、文章が壊れてしまい、私は今でも小論文を書くような資格試験などは、まず合格は無理だろうなと苦笑しています。これからも、自分のできることに重点を置いて、暮らしていこうと思います。
改めて、ご回答を頂き、ありがとうございます。
林: 経過のご報告をいただきありがとうございました。
今の私は、自分が病気であること、障害があることそのものへのこだわりが、少しずつ薄れているように思います。そのことは少しばかり不安ではあります。
これはまさにおっしゃる通りで、病気へのこだわりが薄れることは、自然体で治療を続けられる状態になりつつあるというプラスの面と、治療継続の意思が弱まりつつあるというマイナスの面があります。その観点からすると、「そのことは少しばかり不安ではあります」はむしろ安心材料で、適度な不安は持ちつつも、過度のこだわりなく治療を続けられることを願っています。そのようにすることで一生にわたり安定し幸福な生活を送っている統合失調症の方は多数おられます。
(2017.6.5.)