【3371】統合失調症の妻はきちんと通院服薬し安定しています(【3144】のその後)
Q: 【3144】統合失調症の妻は、退院後、仕事に意欲を見せていますが、その気持ちを尊重すべきでしょうかで回答いただいた40代男性です。 その節は林先生には大変お世話になりました。妻も今現在は 穏やかに過ごしております。
まず経過についてですが、その後、11ヶ月間はバイトを続けました。無断欠勤やドタキャンもなく週 4~5日 約5時間程度でこなしてきたようです。後半3ヶ月ぐらいは新規店舗の準備に 呼ばれ、バイトの教育係も兼ねて8時間/日ぐらいが続いた日もありました。
性格からなのか、故に病気になったからか分かりませんが無理はしていたように見えました。病気なので無理しないように諭しましたが聞き入れることはありませんでした。バイトも辞めたのは夫である私の転勤に伴い引っ越すことになったからで、不安もあったと思いますが、なんとか症状は安定しております。今現在は専業主婦で食事、掃除、洗濯などルーチンワークに問題は感じておりません。
問題は、転勤先での病院でした。今まで通っていた病院と提携している所は無く、いくつかピックアップして頂き、紹介状をもらうこととなりましたが、病院の選択は非常に大事と承知しております。ここを読んでいても、病院の対応で悪化しているケースも見受けられます。これは私の偏見と先日、ニュースで見た精神科医の認定での不正での処分等を見ても、すべての精神科が安心して通院出来るということは無いと、むしろ、安心できる精神科の方が少ないのではと思っています。
結局、通院には少し遠いのですが、良いと思われる病院に通院させることにしました。
生活環境で変わったことは、車の運転をしなければ生活しづらいといことで、運転をする事を始めました。すごく心配でしたが、今はどこに行くにも車を使っています。 薬については、飲み続けております。出かける時も、忘れることはたまにありますが、ほとんどは携帯してきます。
リスタバール デパケンに始まり、ジプレキサ デパケンと変わり、そして現在は
朝 デパケン100
昼 デパケン100
夜 セロクエル150 デパケン100
です。さらに現在は安定しているためと、本人が眠さが取れないという事で、セロクエルが100+25に減っております。
前回での林先生の回答にもありましたが、嘘のように回復しており、後遺症も感じずあの悪夢のような時期はなんだったのだろうと思います。現在は、通院も1回/2ヶ月です。ここまでになれた要因は、ここで相談して病院をを強引に変えることが出来たことと、妻の姉という家族の協力があったからだと思っております。妻も再発はしたくないと感じているので薬を飲み続けているのだと思います。
同じような家族の方へ
病院の選定は非常に大事だと思います。(選択肢の少ない地域の方には申し訳ないが)
薬は本人の意思に任せない。ホームセンターなどで小さいネジを分けて入れるケースを買い、1週間分程度、1回分の薬を分けて見える化をしてみんながわかるようにしておく。高血圧や糖尿病などと同じで安定していても飲み続けるように諭す。
睡眠状態や生活の変化を気にしておく。眠れない時が続く場合は、要注意だし、病気になる前に興味のあった事を再開しだすと、安定期への入口だと思います。
退院から、2年かけて薬の種類は違うのですが、やっと25mg減ったという実感です。私の妻は健康診断の問診票に物忘れが多いと書いていたのを見ました。この因果関係が薬なのか老化なのか病気なのか分かると今後の対策が立てやすいとは思いますが、今は安定していることに感謝しています。
林: 経過のご報告をいただきありがとうございました。
転居に伴う環境の変化、そして主治医の交替は、ご本人にとってストレスになりやすく、その結果再発しやすいという危機があるものですが、この【3371】においては、質問者の慎重で適切な対応により、危機を危機でさえなかったかのようにスムースに乗り切ることができているように見えます。今後も安定が続くことが期待できると思います。
あえて一つ注意を述べるとすれば、2ヶ月に一回の通院というのは、たとえ安定している時期でも、通院間隔としては許容できる上限くらいですので、これ以上の間隔はあけないように留意されることが必要でしょう。
またどこかの時点で経過をご報告いただければ嬉しく思います。
(2017.2.5.)