【5009】紹介状開封のデメリットについて
Q: 20代女性です。
転院のため以前の主治医に書いていただいた紹介状が余ったため開封して中を読んだところ、診断内容があまりに的確に私の本性を言い当てていたため衝撃を受けました。親身になって話を聞いてくれていた裏ではこんなに冷静に分析されていたのかと思うと、誤解を恐れずに申し上げるなら「人って信用できないな……」という気持ちです。もちろん主治医も仕事で行っているので信用の問題でないことは理解しています。
今回のことから個人的には紹介状は開封するものではないと学びましたが、精神科医の側からしても、紹介状は患者が直接見ることはないという前提で書かれているのでしょうか?また、患者が紹介状を見てしまうことについてのデメリットが他にもあれば伺いたいです。
林:
精神科医の側からしても、紹介状は患者が直接見ることはないという前提で書かれているのでしょうか?
封をしてある以上は当然にそれが前提です。
患者が紹介状を見てしまうことについてのデメリットが他にもあれば伺いたいです。
精神科Q&A とは異なり、医療は患者本人のために行うものですから、診療では事実を本人に伏せることは少なからずあります。それを本人が知ってしまうことは、治療そのものの崩壊につながる可能性があります。しかしながら他方、「事実を本人に伏せる」ことが増えることで、精神科についての誤った知識ばかりが広がるというデメリットがあります。このデメリットは徐々に蓄積し、取り返しのつかない帰結を招く可能性があります。精神科Q&A は事実を回答することでそうした帰結への展開にブレーキをかけようとすることも目的の一つとしています。
(2026.1.5.)



