【4895】知能検査中、検査方法について勘違いをしていたのですが、それでも検査結果は正確でしょうか
Q: 27歳女 です。
以前から興味深く拝読しておりました。本日は以前から気になっていたことについてのご相談です。
7ヶ月ほど前に、手帳取得及び障害者年金受給を目的として、WAIS検査を受けました。
検査結果には納得しているのですが、テストを受けている際にあったことで個人的な理由から疑問を抱いています。この結果は適正または限りなく適正に近いかどうかを知りたくメールいたしました。
検査の結果では結果自閉スペクトラムと取れる結果が出ました。検査結果の報告内容を記載します。
【以下各項目点数】
全検査IQ 96
言語理解119
知覚推理97
ワーキングメモリー94
処理速度71
【検査の様子】
2回に分けて実施 初回にて極度の緊張あり、面接を受ける時のようなぎこちなさが見られた。筆圧が強く、積み木を動かす際にはなかなか綺麗に揃わず、何度も整える様子も見られた
積み木、図形、言語説明をやった時点で時間が来てしまい、一旦終了。2週間後に続きを行い、検査は終了しました。
2回目の検査の際、私の集中力の限界で、数章・言語整列等を行った後の計算をたくさん特問題のところで、無意識下で完全に集中力が切れ、テストの意味を取り違えてしまい、たくさん問題を解くべきところを、「なるべく正確に、ミスなく解くこと」と、なぜか「10分くらい時間をもらえて、見直しながらていねいに解くもの」だと勘違いしていました。
悠長に解いて、一問ごとに再計算を行い見直し算をするなど、時間のない中たくさん解く問題では不適切な態度だったのではないかと、その結果あまり計算問題をこなせず、実際より処理速度の点数が下がったのではないかと疑問を持っています。
この際、点数は適切と言えるのでしょうか。
自分が障害者であることは全く構わないのですが、障害者として受けられる公的支援等を受けても許されるか、常々疑問に思っています。
検査においては一般にそうであるように、臨床心理士の先生が一対一で私の行動をつぶさに観察しながら行われました。
もちろん行動観察を行なわれながらでしたから、不適切があったら考慮してくださるはずです。
検査を受けて出た結果から、医師と臨床心理士の方からは「思っていたよりもかなり自閉スペクトラムの様が強く、こちらも驚いた」とさえ言われました。
私は検査を受けている最中から、あれ?これって正しく情報処理速度が測定されていないのでは?と気にかかっていました。他の得点には比較的納得がいくのですが……
上記状況においての情報処理の点数は適正でしょうか?
林:
上記状況においての情報処理の点数は適正でしょうか?
全く適正ではありません。
たくさん問題を解くべきところを、「なるべく正確に、ミスなく解くこと」と、なぜか「10分くらい時間をもらえて、見直しながらていねいに解くもの」だと勘違いしていました。
ということは、検査結果として表れた低い点数は、検査方法の勘違いによるもので、検査で評価される本来の能力が反映されたものではありませんから、当然に適正な点数ではありません。
検査を受けて出た結果から、医師と臨床心理士の方からは「思っていたよりもかなり自閉スペクトラムの様が強く、こちらも驚いた」とさえ言われました。
そうであれば尚更、医師も臨床心理士も、情報処理だけが突出して低い点数になったことに、何か特別な原因がなかったかを探るべきであったと言えるでしょう。そしてこのような場合に考えられる原因として、疲労、やる気の低下(その検査に真剣に取り組まなかった)、そして検査方法の勘違いなどはよくあるもので、そうしたものは本人に尋ねればわかることですから、「驚いた」のであれば、なぜ本人に尋ねなかったのかという疑問が拭えませんが、もしかすると何か理由があって尋ねなかったのかもしれません。それはともかくとして、この検査の処理速度の点数が適正でないことは確実です。
(2024.11.5.)