【4845】強くて活動的で日々が充実していた人生が一変し、日々生きづらさを感じるようになりました。
Q: 20代男性、元教師です。
仕事を始めた頃、だいたい今から2年ほど前から、以下のような変化がありました。
・人と関わるのが好きだったのに、理由なく(あるいは後付けの理由で)他人を憎むようになった。特に、都会の人混みが前は何ともなかったのに苦痛に感じるようになった。
・マルチタスクで要領よく割と何でもこなせたのに、1つのタスクを実行するので精いっぱいどころか、何もできずにただ時間だけが過ぎていくことも珍しくなくなった。特に、いわゆる「やる気」というものが微塵も湧いてこない。行動するのが苦痛。
・嗜む程度に(あるいは人並みに?)下ネタやポルノが好きだったが、不快でたまらなくなった。具合が悪くなるレベル。
・出かけるのが好きで自宅にはほとんどいなかったが、外出すると外気を纏うのが気持ち悪く、すぐさ
ま自宅で風呂に入って身体を洗い、自室の布団に飛び込み、ずっと自宅に閉じこもっていたいと思うようになった。
・自信家で大学を主席で卒業したり賞をいろいろと貰ったりしてきたが、仕事でのささいな失敗等を経て、自己肯定感がなくなってきたどころか、自分を卑下する気持ちばかりが膨れ上がる日々。
・とても体力がありタフだったのに、今は生きているだけで起きて数時間で疲れる上に過眠傾向にある。
・朝に弱く夜型だったのに、今は、日が沈むとほぼ確実に調子が悪くなるほか、早起きする傾向にある。
ちなみに、教師の仕事は1年と少し前に辞めました。
私の身体では何が起きているのでしょうか? 再び充実した日々を過ごすにはどうすれば良いのでしょうか? 楽しかった人生が一変してしまいました。長文になってしまい申し訳ありませんが、ご回答お待ちしております。
林:
仕事を始めた頃、だいたい今から2年ほど前から、
とのことですが、このころに、質問者にとって、何らかの大きな出来事があったか否かが、まず確認しなければならない大きなポイントです。そのような出来事があった場合、ではこのメールに書かれているようなご自身の変化が、その出来事にみあったものであるかどうかを考察することになります。この考察は、ご本人が適切にできることもあれば、ご本人のみでは難しく、客観的な判断が必要な場合もあります。
このメールに書かれているようなご自身の変化がその出来事にはみあったものではない場合、または、そもそもそのような出来事がなかった場合は、何らかの病気の前駆症状や発症の可能性が大きく浮上します。その場合は医学的な治療が必須です。
この【4845】では、「仕事を始めた」という出来事がそのころにあったということまではわかります。「仕事を始めた」という記載だけでは厳密にはわからないことですが、20代という質問者の年齢からみて、おそらく「学生生活を終えて初めて社会に出た」ということであると推定され、それは人生上のかなり大きな出来事であるとみることができます。しかし「学生生活を終えて初めて社会に出た」人の大部分には、このメールに書かれているほどまでの大きな変化は発生していないのですから、【4845】のケースのこの変化は「その出来事にみあったもの」とは言えないでしょう。すると他に出来事が見当たらなければ、病的な変化ということになります。また、学生生活には良好に適応できており、成績もむしろ優秀だった方が、社会に出たとたんに不適応になり抑うつ的になるのは、発達障害の方でよく見られるパターンです。だからといってこの【4845】で発達障害が第一に考えられるということではありませんが、考えられることの一つであるとまでは言えます。
(2024.6.5.)