【4730】持続性気分障害と診断されました(【4393】、【4489】のその後)

Q: 【4489】統合失調症か、うつ病か、複雑性PTSDか  、【4393】小学校時代のいじめと数年前から続く精神の不調 の20歳女性です。
前の主治医の治療方針に疑問を持ったため、去年に今の病院に転院しました。
今の主治医になってから、まずはレクサプロでうつ状態に対処し、クエチアピンで不眠に対処しようという方針のもとこれらを飲み始めました。
最初の3週間は、夕食後レクサプロ10mg1錠と就寝前クエチアピン12.5mg3錠で、クエチアピンの量は睡眠の状態に合せて自己調整していいと言われました。
その頃の症状は、
・常に気分が優れない(落ち込んでいるというよりは今日もいつも通り死にたいという諦めと絶望に近い感情)
・具体的に死を考える(ロープを買ったり何階から飛び降りるのがいいか調べたり)
・大学に行けない(絶対に行かないといけない授業だけ行って後は全部休んでいました、行っても授業を聞ける状態じゃなくずっと突っ伏していました)
・朝起きられない(早朝を目は覚めるのですがどう頑張っても体を起こせず、そのまま大学を休みました)
・眠れない(寝付くのに2時間程度かかり、夜中も何度も起きていました)
・何もやる気がない(勉強はもちろん家事も趣味も何もかもできずに風呂に入らず洗濯していない服を着て大学に行っていました)
・自傷(時々腕を切っていました)
・幻聴(多くはありませんが一人でいるときにはっきりした悪口や物音が聞こえたりしました)
・フラッシュバック(前の質問に書いたようないじめのことがたまにフラッシュバックします、その場面に無理やり引き戻されたようで耐えられないです)
・悪夢(フラッシュバックと同じことが夢の中で起きます)

というような感じでした。

レクサプロの効果は特に感じませんでしたが、クエチアピンは3錠(37.5mg)飲むと中途覚醒が少なくなり、寝付くのにかかる時間も短くなりました。しかし、朝起きられないのは相変わらずでした。
その後、レクサプロを20mgに増やしました。
すると、増やして2日後くらいからロープを実際に高いところにかけて首を吊ったりマンションの高い階に行って何時間も下を見たりそこで地域の精神保健センターに自殺予告電話をしたり電車に飛び込むつもりでホームに突っ立っていたりという不安定で衝動的な状態になりました。
そこで、予約を早めてもらって友人と一緒に診察に行き、普段の診察ではうまく症状を話せないことが多かったので友人にここに書いたようなことを全て伝えてもらいまし。
そして、レクサプロがイフェクサーに変更になり、75mgから開始して3週間ごとに37.5mg増やして、今現在150mgで。
衝動性は治まりましたがそれ以外の症状は全く良くなっていません。
主治医に自立支援医療の診断書を書いてもらったときに、病名は「持続性気分障害」と書かれていました。発病時期は中1のときと書かれていました。

持続性気分障害とは何なのでしょうか。
以前林先生に答えていただいた複雑性PTSDではないのでしょうか。

 

林: 【4489】の回答の通り、あなたは複雑性PTSDだと思います。そう診断できる理由は【4393】の回答の通りです。
複雑性PTSDは、今の症状と、その原因を含めた診断名です。
それに対し持続性気分障害は、原因は含まず、今の症状だけに着目した診断名です。
今の症状だけに着目すれば、あなたの診断を持続性気分障害であるとみることは可能です。治療としても、今うけておられる薬の治療で症状が改善する可能性はあります。複雑性PTSDに対しては、薬の治療だけでは限界がありますが、現実的には、今の治療を続けるのが適切だと思います。

(2023.9.5.)

05. 9月 2023 by Hayashi
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