【4133】何十年も前に死んだ父親と「最近まで一緒に住んでいた」と話す 85 歳女性

Q: 私は40代男性です。ケアマネージャーをしています。
私が最近受け持った利用者さんで少し気になる言動をされる方がいらしたので質問させて下さい。

85歳、女性。介護度は要支援1で足腰が悪く、本人の希望でリハビリ型デイサービスを半日利用されています。認知症の旦那と同居で普段旦那の介護をしています。その方は特に普段物忘れ症状等は無く(長谷川式も主治医意見書によると28点)、こちらからの受け答えもしっかりされておられる方です。

最近になって、今までそのような行為は無かったらしいのですが、近所中に「私の一緒に住んでる父親(旦那ではなく)が居なくなった。どこ行ったのか知らないか?」と聴いているようなのです。皆から「とっくの昔に死んだよ」と言われても修正が効かず「いや、最近まで一緒に住んでた」と答えているようなのです。会った人に聴く程度で聴きまくっているというワケではないです。

親族の方に父親の事を聴くと、30年以上前に他界され、嫁ぎ先の家に同居していた事実もないらしいのです。生きていたら110歳はとっくに超えている年齢年齢だそうです。

本人にも直接父親の件を聴いた所、やはり「いや、実際最近まで一緒に住んでいた」「みんな父がとっくの昔に死んだって言うの」「病院に行けと言われた」と客観的に答えられるのでどう答えていいものなのか。

基本この方はこの言動以外特に問題は見当たらず、社会性も保たれていますし自分の事は自分で行えています。

ここで質問なのですが、短期記憶は基本保持されている方ですが、コレは認知症状の一種なのでしょうか?それとも何かもともと精神に障害を持っておられてここにきて妄想のような症状が出ているのでしょうか?

病院受診を勧めるべきか?  特に問題無いならこのまま傾聴に努めるべきか? 迷っています。どうかご教示の程よろしくお願いします。

 

林: 認知症の初期症状の可能性が十分にあります。

基本この方はこの言動以外特に問題は見当たらず、社会性も保たれていますし自分の事は自分で行えています。

とのことですが、そのような状態の中、この【4133】のような言動から、認知症の発症に気づかれることは少なからずあります。

病院受診を勧めるべきか?

勧めてください。

(2020.10.5.)

05. 10月 2020 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 認知症