【4132】医学部で休学・留年を繰り返しています(【2681】のその後)

Q: 【2681】かつての精神科主治医への割りきれない気持ち で回答いただいた30代女性です。

あれから数年たちました。
同期は初期研修を終えたのに、残念ながらわたしは、医学部の試験や実習のストレスには耐えられず、休学・留年を繰り返しております。

境界性パーソナリティー障害を本当に克服するのは難しいです。

【2681】の元主治医のことも、その大学のことも、大学病院のことも、未だに辛くなると思い出します。特に試験前のストレスでは、精神的に持ちこたえることが難しいです。

除籍になるまで、大学は卒業目指して続けるつもりです。

学務委員(内科系)の教授には、「どこの精神科医局も、問題のある人は抱えているから、卒後は精神科に入局すべき」なんて言われる始末です。

ちなみに、私は小児科志望ですが…
国試受かったとしても臨床は無理かなぁと思う日々です。

試験に対して向き合うことが難しいので、卒業できるかさえも、厳しい状態です。

数年後また報告したいと思います。取り急ぎ現状を報告しました。

 

林: 経過のご報告をいただきありがとうございました。
【2681】の追記に、この質問者は医師という職業選択が適切かどうか、熟考する必要がある、と記しました。それは文字通り「熟慮する必要がある」という意味で、決して医師という職業選択が不適切であると暗に言っているのではありません。
今回の【4132】の内容からは、質問者は医師という職業選択を適切であるとお考えになっているとみることができます。
もしそうであれぱ、それに向かって現実的に考え、努力を重ねる必要があります。しかし質問者がそれを実行しているかどうかは疑問があります。その理由はたとえば次のような記載です。

除籍になるまで、大学は卒業目指して続けるつもりです。

国試受かったとしても臨床は無理かなぁと思う日々です。

試験に対して向き合うことが難しいので、卒業できるかさえも、厳しい状態です。

除籍になるまで」という記載は、「最後の最後までがんばる」という意志を反映していると読むことも不可能ではありませんが、文面全体からはむしろ、「除籍になっても仕方がない」というあきらめの気持ちを反映しているように読めます。また「臨床は無理かなぁ」は明らかに自信のなさを反映しています。そして「試験に対して向き合うことが難しいので、卒業できるかさえも、厳しい状態」はご自身についての客観的かつ現実的な評価であるとみることができますが、しかしその現実に対して何とか乗り越えようという意志は感じ取れません。
おそらくこのままでは結果的には無駄な数年間を医学部で過ごすことになると思います。

医師という職業選択が適切であるとお考えになっているのであれば、それに向けて努力をしなければなりません。また、医学部学生としての勉強よりも、研修医としての勉強の方がはるかに大変です。「卒業できるかどうかさえも、厳しい」という質問者が、何とか卒業さえすれば医師としてやっていけると楽観的に予想する理由は存在しません。いま一度、医師という職業選択が適切かどうかお考えになる必要があると思います。そして適切であるという結論なのであれば、今のままではその目的は達せられないという現実を直視する必要があるでしょう。

(2020.10.5.)

05. 10月 2020 by Hayashi
カテゴリー: パーソナリティ障害, 境界性人格障害, 精神科Q&A