【4282】ストラテラの効果は本物ですか?錯覚ですか?

Q: 8ヶ月ほど前にADHDと診断された21歳の女子大学生です。
診断後からストラテラを飲み始めたのと、大学がオンライン授業になりストレスが減ったことから、最近は精神的に安定しています。
家族から、診断前は人間関係が上手くいかないことや極度に短気なこと、整理整頓が出来ないことについて「甘え」「努力不足」と言われ、診断後、調子が良くなってきた今は「プラシーボ効果でしょ。」と言われてしまいました。
ストラテラを飲むようになってから、急に頭に血が上る感覚が減ったと自分では思っていたのですが、これはストラテラのプラシーボ効果によるものなのでしょうか?そうだとしたら、やはり、今までの人生が上手くいかなかったのは私の努力不足だったということですよね。
精神科に通うようになって、弱い自分を認められるように頑張っているのですが、家族のそういった発言から、自分を見失ってしまいそうになります。私には努力しても出来ないことがある、という弱い自分を認めようする私の努力は間違っているのでしょうか。
また、ストラテラに実際に短気を改善する効果があるとして、薬を飲んでいる今現在の私と、これまでの短気なわたし。どちらが本当の私なのでしょうか?

 

林:
ストラテラを飲むようになってから、急に頭に血が上る感覚が減ったと自分では思っていたのですが、これはストラテラのプラシーボ効果によるものなのでしょうか?

どんな場合でも、プラシーボ効果(プラセボ効果)を完全に否定することはできませんが、この【4282】のケースではストラテラの実際の効果であるとみていいと思います。

ご家族がプラシーボ効果であると判断した理由は不明ですが、一般にご家族は、「薬によって精神状態がよくなった」とは認めたがらない傾向がしばしばありますので、この場合もそれにあたるかもしれません。

薬を飲んでいる今現在の私と、これまでの短気なわたし。どちらが本当の私なのでしょうか?

このご質問は【3868】コンサータによって自己の連続性を失いつつある  と基本的に同じですので、【3868】をご参照ください。

(2021.4.5.)

05. 4月 2021 by Hayashi
カテゴリー: ADHD, 精神科Q&A