【4121】うつ状態から躁転し、今は怠けのように感じています

Q: 40代男性です。私は10年前から精神科に通院しているのですが、ネットで擬態うつ病とういうものを知り、偶然先生のホームページにたどり着き、内容を拝見させていただき、自分は擬態うつではないかと思い始め、不安になり質問させていただきます。

私が発病したのは、家内が2児目を出産した数ヵ月後うつ病に倒れ入院してからまた数ヶ月後のことです。発病後のことはあまり記憶に残っていないのですが、激しい不安発作と早朝に目が覚めてしまうといった症状が出て、家内と同じ先生を受診しました。家内をうつに追いやったのが自分のせいではないかという気持ちで毎日後悔していたような気がします。それでも私は会社は休むことなく深夜まで仕事を続けてました。私がリーダーをしていたプロジェクトが進行しており、私が休んだら会社に大変な迷惑がかかるため休むべきではなかったのです。そのとき服用していた薬は睡眠薬としてサイレース、抗うつ剤としてアモキサン、抗不安薬としてレキソタンとセロクエルでした。投薬の効果があったのか自覚症状は緩和され、無事プロジェクトを成功させることができました。その間、妻の様子が気になり、病院には毎日行っていました。 しかし、プロジェクト終了後、丁度その頃妻も退院できたのですが、私の症状がおかしくなり、躁転してしまいました。気分が大きくなり、1ヶ月で外車やステレオ等に数千万円もつかってしまい、堪り兼ねた妻が主治医に相談し、先生からそううつ病だと診断されました。そして休職するように言われ、また薬も炭酸リチウムが追加されました。そうすると浪費は治まったのですが、不安と不眠が再発し、特に早朝から午前中にかけて不安感で胸が痛くのたうちまわっているような状態が続きました。その頃、薬にはパキシルが追加されました。半年休職の後、不安は有ったのですが「このままではいけない」と思い、また主治医の許可も出たので復職しましたが、その後が問題です。 ①夕方くらいになると激しい疲労感が出て残業できない。②月に2回位は朝から激しい眠気が襲い出社できない。③忘年会など会社の行事に出席する気がなくなり1度も出ていない。④友人と付き合うのが面倒くさくなり一切の交友を絶ってしまった。⑤新聞やテレビ、本に興味が無くなり殆ど接しなくなった。⑥過眠の症状が出て土日は17時間位寝ている。(平日も10時間位)⑦以前は風呂好きだったのに今は週2回位しか入らない。⑧なのにネットは1日1時間位はしている。⑨話し方、表情はしっかりしていると周りの人から言われる。 こんな状態が数年続いています。私には①~⑦の行動は、自分の病気をいいことにした怠けではないかと思われるようになってきて不安なのですがいかがでしょうか?人間は病気で性格が変わってしまうのでしょうか?発病前の私は少なくとも勤勉ではあったと思います。また、大企業の管理職という身分なので1人前も働いていないのに高額な給与をもらっているのもいけないことではないかと思われてなりません。主治医の先生は「あなたの今までの功績でもらっているのだから気にすることはない」と言われますが…擬態うつ病だとしたら、どうすれば治せるのでしょうか?

 

林: うつ状態で始まり、躁状態を経て、現在はうつ状態という経過で、それぞれの時期の症状はかなり明確な うつ、躁 であることから、診断は双極性障害で間違いないと思います。擬態うつ病の可能性はほぼゼロです。

(2020.9.5.)

05. 9月 2020 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 躁うつ病