【3552】薬が効かない自分は統合失調症ではないのでは?

Q: 20代の男性です。
2週間に1度精神科に通院しており、統合失調症との診断を受けています。
思い返せば高校生の頃から症状が出ていた気がします。
高校時代には、他人の視線が気になる、みんなが自分のことを見ているという些細なことから始まり、意欲の低下、学校に行けなくなる(親が車で学校まで連れて行ってくれることになり、不登校は2週間で解消しました)、ゲームセンターに居る時に男性の声で「カッコつけてる」と言われることが何度もあったという幻聴の症状(幻聴はその時以来ありまん)がありました。
それから大学に入学し、一人暮らしが始まったのですが、アパートの上階の住人の足音がうるさくて聴覚過敏になってしまい、それ以来、上階の住人が出す音が自分に向けられている、音で攻撃されていると思って怖くなり、アパートに極力居ないように外出する日々が続いていました。また、大学で講義を受けている時も、自分が呼吸をすると周りの人が鼻をすすって攻撃してくるため、恐怖心から息を止めて呼吸の頻度を減らしたりしていました。その頃はまだ精神科には行っていなかったのですが、大学4年になってそれらの症状がひどくなり、アパートの周囲の住人の生活音にさらに敏感になり、生活音がすると怒鳴ったり壁を殴ったり、逆に、自分が出す生活音に反応して周囲の住人も仕返し(物音を出してきたり、私の自転車をパンクさせたり)をしてくるため、自分がアパートに居る間は戸の開閉もゆっくりして、足音も立てないようにして、トイレの水も流さないようにして生活していました。また、外出したときも知らない人がみんな敵に見えるようになり、後ろから人が追跡してきたら走って逃げて、前から人が来たら道を変えて、とにかく人と会わないように必死でした。人とすれ違ったら鼻をすすったり、咳払いをして威嚇してくるのです。なので、外出中は恐怖感から常に汗だくで、身体が硬直して、目の焦点も合わなくて、呼吸もできず、まさしく命がけの状態でした。意欲の低下も著しく、朝の8時に寝て15時に起きるという昼夜逆転の生活でした。

就職活動が始まる時期でしたが、このような状態であったため全く活動ができておらず、今後の自分の人生に対する不安もあったため、ここでようやく精神科の門を叩きました。そこでは薬物療法や精神療法を行いました。医師から告げられた診断名は「不安障害」でした。精神科に通い、少しは状態が落ち着いてきたので、障害者手帳を取得して障害者として就職活動を始めました。結果、地元の就労継続支援A型事業所での就労が決まり、大学の研究室のほうも9カ月行けていませんでしたが、教員が理解のある方でなんとか卒業させてもらえました。

大学卒業後は地元に戻り、病院も転院しました。今の病院に転院してから診断名が「不安障害」から「統合失調症」に変わりました。
薬の内容もガラッと変わり、抗精神病薬はエビリファイを飲んでいますが、量を24mgまで増やしても効果があまり無く、結局今は効果がないということで3mgまで減っています。現在の投薬内容は、エビリファイ3mg、サインバルタ20mg、トラゾドン25mg、ルネスタ3mg、ジアゼパム2mg(頓服)、桂枝加芍薬湯12錠、四物湯12錠です。これだけの薬を飲んでいても病状はあまり良くなっていない気がします。
現在の症状は、外出時の症状はだいぶ軽くなったものの、アパートの周囲の住人が攻撃・監視してくる感じがしたり、父親が出す音やしぐさがとても気になり、音やしぐさで私に対して攻撃することで優越感を得ている感じがしたり、自分が考えていることが周りの人に漏れている感じがしたり、訳も無く死にたい気持ちが出てきたり、記憶力が低下したり、眠気や身体のだるさが異常に強かったりします。そのせいで、作業所にもほとんど行けていない状況です。
しかし、薬をいくら調整してもらっても一向に良くならないため、自分は統合失調症ではないんじゃないか?と疑問を抱くようになりました。
入院もしましたが逆効果で、エビリファイをインヴェガに変えないかという話もありましたが前に飲んでいたリスパダールで体重が20kg太った話をしたらその話も無くなりました。
薬がほとんど効かない統合失調症ってあるのですかね?
それとも私は何か別の病気なのですかね?
どうせ薬が効かないのなら通院を止めてしまってもいいんじゃないかと思ってしまいます…さすがにそれはしませんが…
このまま、良くならない状態が続くのがしんどくて質問させていただいた次第です。

 

林: 統合失調症のご本人が「薬が効かない」と感じられている場合、理由としては大きく分けて4つが考えられます。
(1) 実際には効いているが、本人にはその自覚がない。
(2) 薬の飲み方が不適切。
(3) 処方が不適切。
(4) 薬が効きにくい統合失調症に罹患している。

この【3552】のケースは、自覚症状からみて、確かに「効いていない」と判断できます。したがって(1)は否定できます。
薬をきちんと飲んでいるかどうかは不明ですが、メールでは確認の方法がないので、ここではきちんと飲んでいると仮定し、(2)は否定します。
おそらくこの【3552】では正解は(3)だと思います。
現在処方されている薬のうち、統合失調症に有効なのはエビリファイだけです。つまりその他の処方薬の サインバルタ20mg、トラゾドン25mg、ルネスタ3mg、ジアゼパム2mg(頓服)、桂枝加芍薬湯12錠、四物湯12錠 は、どれも本来統合失調症の治療薬でなく、【3552】のケースへの処方はほとんど無意味といっていいでしょう。すなわち「薬が効かない」のは (3)処方が不適切 だからです。

これだけの薬を飲んでいても病状はあまり良くなっていない気がします。

統合失調症に対して、統合失調症の治療薬でない薬が処方されている以上は当然です。

但しこの【3552】のメールには、重要な事実の記載がなされていないと思われます。
すなわち、

前に飲んでいたリスパダールで体重が20kg太った

と書かれていますが、これまでの治療経過でリスパダールが処方されたという記載は一切なく、ここでいきなりリスパダールが出て来るのは不可解です。すなわち治療歴が一部しか書かれていないことは明白で、そうしますとこの【3552】の質問者に対しては実質的に有効な回答は不可能ということになります。
しかしこれはメールによる質問に回答するという精神科Q&Aの常です。したがって、精神科Q&Aの他の回答と同様、これはあくまでメールに書かれていることが事実と仮定し、かつ、書かれていること以外には重要な事実はないと仮定しての回答です。

(2017.10.5.)

05. 10月 2017 by Hayashi
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