【3386】パーソナリティ障害が体調に変化を及ぼすことはありますか

Q: 10代女性です。 パーソナリティ障害について調べていたところ、こちらのサイトへた どり着いたので最近疑問に思っている事を聞きたいと思い質問致しました。
私は、1人で部屋にいる時に猛烈に寂しくなる時が多々あります。その時、寂しさが酷くなるほど、胸の丁度真ん中辺りに刀?木刀?のようなものが刺さりそうな穴がぽっかり空いているような気がして、その穴に刀のようなものを刺してとにかくその穴を埋めたい感覚がつきまといます。流石に包丁を刺すのは怖いので穴が開いている所を手で押し込むのですが、物足りないと感じます。
うつ病でお腹が痛くなったり、自傷行為にはしる話はよく聞くのですが、パーソナリティ障害、特に演技性パーソナリティ障害では、思いこみなどでこういった症状が見られる場合はあるのでしょうか?

初めはうつ病を疑って調べていたのですが、うつ病のチェックリストよりもパーソナリティ障害、とりわけ演技性パーソナリティ障害のチェックリストの方がよく当てはまり、実際に症例を見ても患者さんと同じような行動や考えをしていたので、私は自分がうつ病をアイデンティティにしたい演技性パーソナリティ障害なのかもしれないと考えています。
自分はうつ病だといって人の気を引いて愛されるために、甘えて迷惑をかけたり友達に対する態度が日によって違ったりしてもうつ病のせいにするために、私はうつ病でなくてはならないと思い込んで、うつ病について調べた情報が当てはまるように行動するうちに強い思いこみを生み、こういった症状が出ているのかな?と思いました。
寂しいと思う感情も、胸に空く穴の感覚も、可哀想な子を表現するいい言い訳にはなりますが、それ以上に苦しくてつらいので、思いこみであったらすぐにでも解きたいです。
私の性格は極めて演技性パーソナリティ障害の典型に近いので、長年悩んでいた自身のストレス耐性の低さや友達と長続きしない悩みなど典型的な演技性パーソナリティ障害の悩みも絡んでいるのであれば、芋づる式に解けたらと密かに考えています。

林:
うつ病でお腹が痛くなったり、自傷行為にはしる話はよく聞くのですが、パーソナリティ障害、特に演技性パーソナリティ障害では、思いこみなどでこういった症状が見られる場合はあるのでしょうか?

あります。演技性パーソナリティ障害よりも、むしろ境界性パーソナリティ障害で見られるといえますが、そもそもこの二つのパーソナリティ障害は近縁のもので、明確に分けることはできません。少なくとも、できないケースがあることは確かです。

私は自分がうつ病をアイデンティティにしたい演技性パーソナリティ障害なのかもしれないと考えています。

演技性パーソナリティ障害を真の意味で「自覚」することはないか、あったとしてもきわめて稀だと言えます。ですからこの【3386】は、どちらかといえば境界性パーソナリティ障害に近いケースだと思います。

私の性格は極めて演技性パーソナリティ障害の典型に近いので、

それは事実かもしれません。けれども「性格が極めて演技性パーソナリティ障害の典型に近い」ことと、「演技性パーソナリティ障害」は、連続性はあったとしても全く別のものです。どのパーソナリティ障害も、性格的にその障害にきわめて近い人はたくさん存在しますが、障害と診断できるのはその中のごく一握りです。

長年悩んでいた自身のストレス耐性の低さや友達と長続きしない悩みなど典型的な演技性パーソナリティ障害の悩みも絡んでいるのであれば、芋づる式に解けたらと密かに考えています。

性格傾向は、今の症状と関連があると言えるでしょう。但しその性格傾向がパーソナリティ障害のレベルかどうかはわかりません。むしろ障害レベルとまでは言えない可能性のほうが高いと思います。

(2017.3.5.)

05. 3月 2017 by Hayashi
カテゴリー: パーソナリティ障害, 境界性人格障害, 精神科Q&A タグ: |