【3385】喪失体験後の症状の診断名は?
Q: 30歳女性です。
1年ほど前、喪失経験をしました。
同時期、呼吸器系の感染症にかかりました。
無理して動いていたら、職場で倒れ、しばらくは長時間座ることもできず休養しました。
十分な回復を待たず、どうにか動けるようになったころに、無理に動いたので、しばらくは非常に疲れやすく、疲れると足が動かなくなってしまうという状況が続きました。
それでもやりがいのある仕事でしたので、だましだまし仕事をつづけました。
2ヶ月ほどかかりましたが、体力の回復とともに足も動くようになり、体調が良くなったことをはっきり実感しました。
その頃、喪失経験について友人に話している最中に過呼吸が出ました。
この過呼吸をきっかけに、喪失体験に関係する話が出ると具合が悪くなるようになりました。
パニック発作のような感じもありましたが、死への恐怖とか、広場恐怖といったものはなく、自分ではっきりこの発作はストレスが原因だとわかっていたので、パニック障害ではないだろうと思いました。
それからしばらく、他にもストレスとなることが続き、朝出かけるまでは元気なのですが、自転車通勤なので職場に到着すると疲れきってしまい、力が抜けてへたりこんでしまうことが何回かありました。
これは身体疾患というよりもストレスと体力が落ちているせいだろうと思って病院には行きませんでした。
仕事が好きでしたので、少し無理してでも仕事を続ける方が良いと思って続けていました。(家にいる方が喪失経験を思い出し、辛かったです。)
その後、2週間ほどでそのひどい状態はぬけだし、頭がクラクラする感じや胸腹部の違和感など、不快感が自分としては辛かったのですが、これもいずれ回復していくだろうと、気にしない努力をしました。
時々、ふらっと倒れそうになったり、過呼吸が出たりということはありました。
それでも、実際、少しずつ回復していたと思います。
喪失経験も、思い出せば辛いけど、思い出さないこともできるくらいにはなっていました。
ただ、時々不安感や悲しみを感じることがありました。
喪失経験の前には一切そういう感覚がなかったので戸惑いました。
そして先日、疲労が重なった時に、発熱しているような感覚(頭痛、関節痛、熱感)があり、それでも過密スケジュールをこなしていたら、急に具合が悪くなりました。
過呼吸、冷感、体の震え(けいれんに近い)、胸痛など、いわゆるパニック発作のような症状です。
発作が治まってからも、ちょっと動くだけでしんどくなる(頻呼吸と脱力感)ので横になって数日休みました。(横になっていれば、症状は出ません)
少しずつ座れる時間も増え、外出ができるようになった時点で内科のクリニックに行きました。
が、やはりしばらく歩いたら具合が悪くなり、クリニックに到着した時点で頻呼吸状態でした。
心電図、胸部レントゲンを行い異常なし、ストレスがあるということで、転換性障害疑いとして、抗うつ薬、抗不安薬を処方されました。
が、正直、安易に薬を飲むのが怖いので飲んでいません。
私も精神的ストレスと過労が重なったのだと思っていますが…
外出して発作が出るのがこわい気持ちもあります(迷惑をかけたくない、疲労して症状を悪化させたくないというのが理由です。1年前十分な休養を取らずに動いて症状が長引いたので。疲れない距離、疲れない短時間は外出できるようになってきました。)が、早く仕事に戻りたい思いもあり、まだ非常に疲れやすい状態ですが、思いきって動き始めてしまおうかとも思っています。
甘えてるだけ、動いてしまえば動けるんじゃないか…という気持ちもあります。
そして、今は考えないようにしていますが、仕事に戻れないことがストレスになりそうです。(職場は理解があるので、休める環境です)
そこで質問ですが、広場恐怖を伴わない、またストレスの原因がはっきりしている場合はパニック障害の可能性は否定されるのでしょうか。
ストレスの原因を自分ではっきり自覚していても、転換性障害にかかるのでしょうか。(心の中の抑圧が身体に出る障害ですよね?自分ではっきりストレスと認めているのですが…)
転換性障害は薬を飲まずに治せないものでしょうか。
こういう場合、十分に休養した方が良いのか、無理にでも動き始めた方が良いのか、どちらでしょうか。
林:
広場恐怖を伴わない、またストレスの原因がはっきりしている場合はパニック障害の可能性は否定されるのでしょうか。
否定されません。パニック障害は、原則として症状だけに基づいて診断が決まる障害ですから、ストレスが原因か否かは診断とは無関係です。また、広場恐怖は伴うものも伴わないものもあります。
ストレスの原因を自分ではっきり自覚していても、転換性障害にかかるのでしょうか。(心の中の抑圧が身体に出る障害ですよね?自分ではっきりストレスと認めているのですが…)
かかります。括弧内に書かれた内容は一応認められているメカニズムですが、実際にはストレスを自覚していることもしていないこともあります。
転換性障害は薬を飲まずに治せないものでしょうか。
治せることも治せないこともあります。
こういう場合、十分に休養した方が良いのか、無理にでも動き始めた方が良いのか、どちらでしょうか。
わかりません。なぜならこの【3385】のケース、
1年ほど前、喪失経験をしました。
と書き始められ、全体を通してその喪失体験を軸に話が進められていますが、肝心なその喪失体験の具体的内容が不明ですので(そもそも本当に喪失体験がどうかも不明です)、今の症状とその体験の関連性も不明です。したがってどのような対処法が適切かもわかりません。
(2017.3.5.)