【3295】自傷癖の再燃でしょうか(【2253】のその後)

Q: 【2253】解離に自覚がある自分は甘えているのでしょうかでご質問をさせていただいた30代女性です。
前回はありがとうございました。
変わらず、情緒不安定性パーソナリティー障害との診断で通院中です。
強いて言えば、ADHDとの診断が加わったため服薬内容が
ストラテラ 40mg 1cap
リフレックス 15mg 1T
となったぐらいです。

現在、直属の上司にのみオープンにした状態で就労中です。
しかしながら、ここ一年ほど毎月の残業時間が60時間を超える日々が続いています。
且つ、ここ1週間ほど毎晩自傷する夢や、飛び降りる夢をよく見、仕事中に気付いたら刃物をもってトイレに居たり(たどり着いた記憶なし)といった、やや不安になる兆候が出てきました。
しばらく少なくとも5年ほどリストカットはしていませんが自傷癖の再発の兆しでしょうか。
また、限られた通院時間で上記を伝えられる自信がありません。
すぐにでも何らかの薬を増やしてもらうべきでしょうか。

林: 経過の報告をいただきありがとうございました。
質問者が危惧されているとおり、自傷癖の再燃の兆しであることは否定できないと思います。

限られた通院時間で上記を伝えられる自信がありません。

「上記」の数行分だけでもポイントとしては十分ですので、是非がんばって伝えてください。

 すぐにでも何らかの薬を増やしてもらうべきでしょうか。

薬を増やすのがいいかどうかはともかく、何らかの対処について相談してください。

ここ一年ほど毎月の残業時間が60時間を超える日々が続いています。

という状況に続いて、今の兆候が現れていますので、仕事の負荷との関係を考える必要があるでしょう。もっとも、60時間という残業時間が続いたのが「ここ一年ほど」だとすると、直接の因果関係を見出すことは難しいかもしれません。その一方で、一年も続いたのことによる蓄積効果という見方もできるでしょう。
いずれにせよ、悪化の兆しがあったとき、薬を増やすのが第一の対処法とは限りません。もし仕事の負荷の影響が大きいと判断されれば、その負荷を減らすことを第一に考えるべきでしょう。しかしそれは理想であっても、現実には負荷を減らすことができるとは限りませんので、主治医の先生に状況を説明して相談するというのが正しい方策ということになります。そして主治医の先生と職場が連絡を取り、適切な対処を相談していただく・・・というのが理想ですが、この理想はなかなか実現しないのが常ですので、結局は薬を増やすという対処法に落ち着くことになるかもしれません。けれどもそれは「結局は」であって、その前にすべきこと、すなわち主治医の先生に状況を伝えて相談し、対処法を検討していただくことから始めることが勧められます。

(2016.10.5.)

05. 10月 2016 by Hayashi
カテゴリー: パーソナリティ障害, 精神科Q&A, 解離性障害 タグ: |