【3296】自分の考えを声に出して漏らしているような気がする
Q: 40代女性です。
2年ほど前から自分の考えが人に伝わっている、というか、実際声に出ていて周りに聞こえているのではないか? と思うようになりました。
生活においては特に困ったこともなく(細々した変化はありますが)、病気が発症するきっかけとなるものはないと思います。
周りに聞こえたのではないか?と思うのは、自分が何か嬉しいことやテンションが上がる出来事があったときに、自分では心の中で声を出したつもりなのに周りの人から見られたときです。
今少し声がでちゃったのかな?とも思うのですが、それならそうと友達であれば「なに?」とか「なんか言った?」 と言うのでしょうが、私を見てくる人はさして仲良くもない仕事関係者だったり通りすがりの人に限っています。
20代後半に昼夜仕事を掛け持ちしていた頃、自分でもおかしいなと思う状態が3ヶ月ほど続いたことがあります。
接客業でしたが、とにかく人と話すのが苦痛で、でも仕事だから話さなきゃと思って頑張ろうとするのですが、喉で声が詰まって出てこなくなり、そのまま早退する日々が続き結局丸2ヶ月ほど休みました。
昼の仕事はほとんど話さなくてもこなせるためなんとか行っていました。
ただ周りは明るかった私が無口になったことで腫れ物にさわるような扱いをしていました。
声が出ず長期休暇を取っていること、明るい自分でなくなったことでみんなに気を使わせていることがさらに苦痛でより殻に籠っていき、死にたいと知り合い(すごく仲のいい友達と言うわけでもない方)に泣きながら訴えては諭されていました。
しかし、いつの間にか回復したのか前の自分に戻っていきました。
前の自分とは、自分でも思うし周りにも言われる、明るくさばさばして豪快な私。といった感じです。
それからは、そこまで落ち込むこともなく今まで過ごしてきました。
何か辛いことがあったわけでもありません。
ただ、今は、自分のある一定のテンション時の自分の声が漏れているような気がしてなりません。
でなければ、振り向いてまで見られるはずがありません。
よくあることでしょうか?
病気とまでは言えないと思ってよいでしょうか?
林: よくありません。病気の可能性はかなり大きいです。
自分の考えが人に伝わっている、というか、実際声に出ていて周りに聞こえているのではないか?
に始まる、質問者の最近の体験は、軽い自我障害と解することができます。それは統合失調症に典型的に見られる症状です。
20代のときの
とにかく人と話すのが苦痛で、でも仕事だから話さなきゃと思って頑張ろうとするのですが、喉で声が詰まって出てこなくなり、
という症状は、その症状描写だけから判断すれば、解離症状としての失声です。これを統合失調症の前駆症状とみることができるかどうかは微妙ですが、最近の症状とあわせれば、そのように解釈することも可能です。
この【3296】のようなケースの場合、最近の症状が統合失調症を示唆するものであっても、直ちに薬物療法が必要になるかどうかは何とも言えません。しかし悪化すれば必ず薬物療法が必要ですし、悪化するかどうかは慎重に経過を見る必要があります。精神科を受診してください。
(2016.10.5.)