【3050】うつ病の症状から回復しましたが、時々会社を休んでしまいます。

Q: 私は40代男性です。30代半ばで、子供が生まれ、仕事上の忙しさも重なり、うつ病を10年ほど患っています。ここ数年、リフレックスとジプレキサにより思考の回転がもとどおりになり、知的作業が問題なくできるようになりました。気持ち的にも意欲が湧き、資格などを取得できるまでになりました。
しかしながら、月1回程度、朝どうしょうもなく体がだるく、会社に行けない時があります。仕事は前倒しにやるようにしているため、あまり迷惑をかけることはないのですが、何か対処の方法がないか、ご教授願えればと思います。
しばらく、抗うつ剤は飲んでいなかったのですが、土日に起きられなくなり、リフレックスとジプレキサを一番多かった時の半分くらい服用しています。その結果、土日も活動できるようになりましたが、突発的な休みは相変わらずです。
休んだ後は、こんなにも疲れていたのか、と実感するような感じがします。
頭の回転は回復したのに、体がついて行っていないのでしょうか。
主治医の先生もなかなか打つ手がないような様子です。
薬の量を増やすのは、正直言って抵抗があります。回復の途中で、知覚過敏のような症状が出て、ひどく苦しんだ経験があるためです。
今もわずかですが耳鳴りのような症状があります。
お忙しいところ申し訳ありませんが、先生はこのような症状の場合、どのような処置を取られるでしょうか、お教えいただけると幸いです。

 

林: 残念ながらわかりません。具体的な症状等の記載が乏しいからです。

すなわち、

うつ病を10年ほど患っています。

まず、これだけでは、本当にうつ病であるかどうかがわかりません。具体的な症状についての情報が必要です。

月1回程度、朝どうしょうもなく体がだるく、会社に行けない時があります。

これは、うつ病の回復期にはしばしば見られる現象です。したがってこの【3050】がうつ病であると考えても特に矛盾はありませんが、やはりそもそものうつ病と診断されたときの症状が不明である以上、本当にうつ病であるかどうかはわからないと言わざるを得ません。

仮に診断がうつ病であると推定するとしても、理解に苦しむのは薬物療法の経過です。

(1)ここ数年、リフレックスとジプレキサにより思考の回転がもとどおりになり、知的作業が問題なくできるようになりました。気持ち的にも意欲が湧き、資格などを取得できるまでになりました。

(2)しかしながら、月1回程度、朝どうしょうもなく体がだるく、会社に行けない時があります。

(3)しばらく、抗うつ剤は飲んでいなかったのですが、土日に起きられなくなり、リフレックスとジプレキサを一番多かった時の半分くらい服用しています。

上の記載中、(1)からは、リフレックスとジプレキサで改善したことは確かに読み取れます。そして(2)を読むと、ではリフレックスとジプレキサで改善したことは改善したものの、まだ不十分であると解することができます。しかし(3)には、リフレックスとジプレキサはしばらくは飲んでいなかったと書かれています。すると(1)から(2)の流れをどう解釈していいか不可解です。すなわち、薬をやめていたということは、(1)の改善はいわゆる完全寛解、すなわち無症状のレベルまで改善したと解釈する以外ありませんが(だからこそ薬をやめたのでしょう)、そこから(2)につながるということは、いったん完全寛解したものの、薬をやめたら(2)の症状が出て来たという意味でしょうか。そうであれば(そうであったのかどうか、このメールからは確信できませんが、そうであったと読み取るしかないかと思われます)、「薬をやめたのがよくなかった」というのが単純明快な答になります。

また、

薬の量を増やすのは、正直言って抵抗があります。回復の途中で、知覚過敏のような症状が出て、ひどく苦しんだ経験があるためです。

とのことですが、薬については名前だけで量の記載がありませんので判断できません。また、これまでリフレックスとジプレキサだけで治療を受けてこられ、その量を増やすと副作用で苦しまれたということであれば、他の薬を試みるのがごく自然ですので、

主治医の先生もなかなか打つ手がないような様子です。

なぜそんなことになっているのか理解できません。このメールに書かれている通りだとすれば、そんな程度で打つ手がなくなるはずがありません。

以上、冒頭の通り、このメールはポイントとなる事項についての具体的な情報に乏しく、回答不能です。

(2015.9.5.)

05. 9月 2015 by Hayashi
カテゴリー: うつ病, 精神科Q&A