【2636】私は双極性障害(躁うつ病)です。早期治療の大切さを実感しています。

Q: 現在、40代の主婦です。今から10年程前に双極性障害を発症しましたが、現在は通院を続けながら日常生活を送り幸せに過ごしています。今回、林先生にメールをしようと思ったのは、 【2583】68歳妻の統合失調症、運命と考える方がよろしいでしょうか の方のご相談を読み、先生のおっしゃった最後の『最善の治療によって本人の最大の幸福を追求することが、その運命の範囲内で人間のすべきことであると思います。』という言葉に大変感動し感銘を受けたからです。 私は、幼い頃に別れた母親が同じ病気で、時々会う時の母は必ず鬱か躁だったため、とてもこの病気と母親を嫌悪していました。それなのに、三姉妹で私だけこの病気を発症し、その事実を受け入れたくないと葛藤した時期もありました。私の場合、躁状態になり異変に気付いた家族が早期に病院を受診させてくれたお陰で入院もせず回復する事が出来ました。(この時は鬱にはなりませんでした)その後、転職に伴い健康保険の切り換え時に通院せず、2週間程お薬を飲まなかった時に再発した事があります。この時も入院はしませんでしたが、躁の後に鬱にもなり苦しかったため、通院とお薬は絶対守ると誓いました。現在は自立支援を受けながら月1度の通院とお薬を処方して貰っています。(リーマス200㎎、1日2錠) 嫌悪してた病気と母親ですが、発想を変えてみるとそのお陰で私も姉妹も病気への知識や対処方法を知っていた訳です。早期治療を受けられたのはそのお陰です。 林先生が言っていた『興味本位は無関心より優る』は本当ですね。最近では精神疾患は『脳の病気』とメディアでも取り上げられ、周囲にも認知されてきていますが、まだまだ差別や偏見が多いです。興味本位から知識を得て何らかのきっかけで早期治療を受けられるような人が一人でも多くなったらと願います。そうすれば、重症化した患者による痛ましい事件なども減り、偏見や差別と言った負の連鎖を断ちきって行けるように思うのです。 最後に、私は一生お薬を飲み続けなければなりませんが、その運命を受け入れ幸せに生きています。そんな精神疾患患者もおります事を他の方にも知って頂きたいです。

 

林: このメールをいただいたことに感謝いたします。適切な治療を受けられた結果、症状がとても安定しておられることが読み取れます。これからもさらに安定が続くことを願っています。

(2014.4.5.)

05. 4月 2014 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 躁うつ病