【2615】浪費癖ならびに嘘つき癖のある姉

Q: 20代男性です。今回相談したいのは浪費癖ならびに嘘つき癖のある姉(29歳)のことです。 嘘つきに関して思い当たる、もっとも古い私の記憶は、姉の大学時代の始めの頃(10年前くらい)でした。その頃姉は運転免許を取得するために両親がお金を出して教習所に通っていたのですが、それとも教習所で教官から「運転に向いてない」といわれたらしく、もともとプライドの高い姉はその言葉で教習所に通うことを止めてしまったようです。ただ、親がお金を出していることもあって、通っていると嘘を言ったことをきっかけに引き返しがつかなくなり、結局1年以上通っているふりをして教習期間が過ぎてしまい、まだ免許を取れていないことが親に知られて厳しく叱責されたようです。 また、パチンコなどへの浪費の側面もあり、家族に隠れて借金をするようになったのもこの頃です。学生としては信じられない額の借金の請求が自宅に届いたのを父親が発見し、発覚しました(数十万円くらいでした)。それまでは届く請求書などを姉が家族に見つからないように保管もしくは破棄をしていたようです。これも嘘にあたるのでしょうか。 そして、徐々に大学へも通っているフリをするようになり、授業も受けずに当然試験も不可判定を受け、そのたびに家族で理由を問い詰めていました。「半年の間、努力を続けることがどうしても出来ない」という姉の意見を聞きだし、家族でなんとかフォローしていたのですが、それでも状況は好転せずに最終的に大学に8年間通うことになりました。 さすがに最後の8年目は勉強をしているように家族には見せていたのですが、結果から言えばそれもしているフリだったらしく、最後の最後の試験(それで卒業できなければ退学)でもまったく話にならない成績だったようです。その事実を隠すために、あろうことか姉は成績表と卒業証書を自分で捏造して家族を騙しました。卒業式の案内が届かないことを不審に思った両親が大学に確認したところ、姉の嘘が発覚して、もうその段階ではどうすることも出来なかったのですが、母親は泣き崩れ、父親も叱る方法を失い、私も、そして姉本人も相当のショックであったと思います。
大学を辞めて、父親の勧めを受けて就職が決まり、今現在実家を出て一人暮らしで働いています。が、それでも浪費癖と嘘つき癖は全く治る気配がありません。 かなり前の、それこそ教習所の出来事があった頃から「嘘だけはやめてくれ」という話はずっとしているのですが、今でもすぐに嘘だとバレるような嘘をすぐ言ってしまうようです。そのたびに叱責し、反省のそぶりを見せるのですが、改善の様子は見られません。

父親は「浪費も嘘つきも、意思の問題だ」と言い、病院へ連れて行こうという話になったことは今まで一度もありませんでしたが、私がなんらかの病気ではないか?と思い始めたことを両親に話し、もし嘘つき癖、浪費癖が精神病的なものであるとすれば、なんとか説得して精神科に連れていこうと家族で話し合っております。

私が姉を病気ではないか?と疑う理由を挙げておきます。
・ すぐ嘘をつき、嘘がばれないようにまた嘘を重ねる
・ ほしい物を計画なくすぐ購入する(絵など)
・ 家賃、電話代などを滞納してまで浪費する
・ 物を捨てられない性格(一人暮らしの部屋はゴミ屋敷のようでした)ので、要らないものは捨てろ!と言っても、捨てたと言って結局捨てていない・・などです。
もし精神病ではないのであれば、見当違いなメールを送ってしまって申し訳ありませんが、アドバイスいただけたら、と思ってメールいたしました。宜しくお願いします。

 
林: お姉さまには病的な虚言があります。ご質問の要点は、この虚言が病気か否かということになると思います。病的な虚言とひとことでいっても、ケースによって診断名は異なります(林の奥 の 「少女L、その他、の虚言」もご参照ください)。この【2615】のお姉さまは、診断名をつけるとすれば、【2614】自分は外科医であると言い張るなど虚言癖をもつ夫の正式な病名は何でしょうか と同様、他の特定不能のパーソナリティ障害 ということになると思います。パーソナリティ障害を病気の範疇に入れるかどうかは、議論のあるところです。

(2014.4.5.)

05. 4月 2014 by Hayashi
カテゴリー: パーソナリティ障害, 精神科Q&A, 虚言