【2614】自分は外科医であると言い張るなど虚言癖をもつ夫の正式な病名は何でしょうか
Q: 私も夫も30代です。夫は虚言癖を持ちます。
自分は外科医であると最近まで言い張っていました。実際は金融関係のサラリーマンです。自分が医者になろうと思い立った経過から親の猛反対を押し切って医学部へ入学し、医者の家柄出身でないため学生の頃苦労して、成績は何年に1度出るかのかなり優秀な成績で卒業し、世界の優秀学生名簿なるものに記載されている、等かなり細かな話を作り上げいつも私に話していました。
彼の父親は今までで2度死にました。でも実際は健在です。一度目は心臓発作で急死し、家族の嘆く姿、葬式のやり取りを兄弟が自分だけに押し付ける等の不満までリアルに語りました。その後、実は最初に死んだ父親は育ての父親で実の父親と最近母親がまた一緒に暮らし始めた。でも、その父親もまた心臓発作で死んだといいました。落ち込んで一日ソファーで寝込んでいました。でも実際はまだお元気に生きていますし、もともと育ての父も本当の父も同一人物です。
癌を患ったと涙ながらに告白。最初は肺がんだといっていたのに、睾丸癌へ、そして脳癌へ話が移行しました。実際医者にも数度行っていて、検査してもなんともないのに自分は癌だとまた繰り返します。放射線治療も実際そこまで行き、治療を受けたかのように家に帰ってきてトイレに駆け込み吐くしぐさもしてました。外科手術も何度うけた、自分の睾丸はいまひとつしかない、子供はもう作れない等事細かに嘘をつきます。
上記はごく一部で、ありとあらゆる事で嘘を繰り返します。実際涙を流し、気を失って倒れたり、生きる気力をなくしたと自殺未遂で入院も数回しました。病院へ見舞いへ行くと「申し訳なかった」とまた涙。 最後に入院した病院では精神異常、人格障害と診断され精神科を勧められました。ただ、そこで勧められた理由は「自殺未遂を繰り返すため」であり、医師に酷い虚言の傾向があることを告げるとそれにはまったく気付かなかったといわれました。そのように、普段はいたって普通の人にしか見えません。
彼の精神異常は正式にはなんという病名でしょうか? そして、完治する可能性はやはり低いでしょうか? 小さな子供が2人いるので、このまま結婚生活を続けていく上でどれだけの覚悟が必要なのか、もしくは子供にとっては有害な環境で離婚が望ましいのか悩んでいます。 ちなみに本人は虚言の症状に自覚があり(といっても嘘をいっている瞬間は無自覚なように見えます)自分の精神に異常ありだと認めて虚言癖を治したいといっています。医者にも通って症状を改善し家族を取り戻したいといっています。でも、未だ精神科の予約を取って医者と面談はしていません。最後にその強制収容所のような病院でカウンセラーを受けたのが4ヶ月前ほどです。カウンセラーを受けていた当時は毎日謝りのメールを書いてきました。 言ったことを言ったとおりになかなかやらないのは典型的な性格だと思います。本当は他に出来ない理由があるのにそれを隠そうとする傾向です。例えば、精神科には退院した翌週から続けて通うといっていたのに、何週間も過ぎて、「医者が休暇旅行へ出かけている」「保険会社が手続きを間違えて予約が取れない」等の嘘を相変わらず続けます。 実際は保険料を払っていなかったため予約が取れなかったようです。そういったことも虚言壁が露見しているのだからありのままに事情を話してくれても今更驚かないのに、いちいち手の込んだ嘘をついて物事を隠そうとします。「正直に事実を話す」のがかなり困難な様子です。最近再就職したので、また医者に普通にかかれるようになって今度こそは予約を取るそうですが、実際医者に会うかはまだ分かりません。私が代わりに予約をとっても、自分の思ったように何でもやりたがるので本人が自分から進んでしなければ実現しないのでしょう。
現在は別居生活なのでこちらでのご回答を元に生活環境をがらりと変えるわけではありませんが、しばらくの心構えや、精神科へかかる以外で家族として日常夫の病気に対処する方法を探しています。あまり関わりあいになりたくないとそっけなく冷たくあしらったほうがいいのか、応援するという姿勢を示したほうがいいのか、実際どのような応援方法が望ましいのか、どうぞご教授ください。
林: 虚言癖があることは間違いありません。回答するまでもないことですが。
かなり細かな話を作り上げ
ありとあらゆる事で嘘を繰り返します。
医師に酷い虚言の傾向があることを告げるとそれにはまったく気付かなかったといわれました。そのように、普段はいたって普通の人にしか見えません。
これらはすべて、病的な虚言のある人のある一型に見られる顕著な特徴です。
彼の精神異常は正式にはなんという病名でしょうか?
正式に病名をつけるとすれば、
他の特定のパーソナリティ障害
ということになるでしょう。
林の奥 の 「少女L、その他、の虚言」もご参照ください。
ちなみに本人は虚言の症状に自覚があり(といっても嘘をいっている瞬間は無自覚なように見えます)自分の精神に異常ありだと認めて虚言癖を治したいといっています。
病的な虚言がある人の中には、このように自覚があり、治したいという意思を見せるケースもあります。
但し、その言葉自体が虚言である可能性も、もちろん否定できません。
そして、完治する可能性はやはり低いでしょうか?
低いと思います。
(2014.4.5.)