【4534】もともと双極性障害だったのか、それとも躁転したのか

Q: 50代男性です。 以前から精神科に通院中だったのですが、今般、社会保険労務士に依頼し無事障害年金を受給する事ができました。
現在は無職です。糖尿病のため投薬治療も長年受けています。
眼底出血もありレーザー凝固施術の一歩手前の状態です。
また以前から男性機能障害があり困っています。まるで仙人の様です(笑)
(何が原因なのでしょうね?)
生活は母の年金と合算して何とかやっています。
それはいい事なのですが、最近明らかに金遣いが荒くなっています。
それとクレジットカードの入った財布を連続で2回落としました。
(戻ってきましたが)主治医に伝えると注意力散漫(躁の症状)との見解です。
認知障害ではないとのこと。
他には毎日10,000歩から15,000歩も歩いています。異常です。
とにかく動かないといけないと考えてしまい(強迫観念?)
足が棒になってもまた出掛けます。
これは他の皆様方が一生懸命に働いているのに自分だけ障害年金をもらい無職で生活している事に強い罪悪感を感じ、せめて自分の身体をいじめ抜かなければならないという考えが最近発現してきています。
他にはやたらとメールを送る、手紙を書く事が多いです。
このような躁の症状と思われる現在の状況を手紙に書き。主治医に郵送したところすぐに電話があり大変心配ところすぐに電話があり大変心配していたため、すぐ診察に行きました。
そして以下のような処方となりました。

・デパス0.5mg錠 朝・昼・夕食後1錠服用(これはこれまでと変更なし)
・ジェイゾロフト25mg錠-薬局で半分に切断の上、個装-夕食後半錠服用
※これまでは25mg錠1錠を夕食後服用
・レボトミン5mg錠を就寝前2錠服用となっています。
私としてはベルソムラかロヒプノールに変更するか追加するかを希望!
更にテルネリンを追加して欲しいです。(肩こりが辛い為)
レボトミンだけでは中途覚醒にあまり効果がないですので
明日診察に行くので薬の処方の件主治医に相談してみます。
これらの症状から鑑みて躁転と考えるのか元々双極性障害であったと考えるのか私にはよくわかりません。
全般的に重症化しているのでしょうか?要注意な状態でしょうか?
私はどのような治療(どんな薬)を受ければいいでしょうか?
林先生は現在の私の状態をどう思われますか?

 

林: 「躁転」は、双極性障害の人が、うつ病相から躁病相に切り替わることを指す用語です。したがってご質問タイトルの

もともと双極性障害だったのか、それとも躁転したのか

という問いは成立しない文章です。

用語法はともかくとしてこの【4534】の質問者の今の状態は、躁転の可能性があり、したがって双極性障害の治療を考慮する必要があると言えます。
主治医の先生が

このような躁の症状と思われる現在の状況を手紙に書き。主治医に郵送したところすぐに電話があり大変心配ところすぐに電話があり大変心配していた

とのことですので、主治医の先生は質問者が双極性障害である可能性ありとお考えになったのだと思います。
そして実際に診察された結果は双極性障害の薬物療法は開始されず、抗うつ薬の減量のみという対応ですが、これはおそらく、実際に診察してみると、躁転とまでは言えない状態であると判断されたのだと思います。
もちろんこれから躁状態が顕著に現れ、双極性障害の薬物療法を要する状態になることも十分に考えられますので、しばらくの間は今までより頻繁に通院されることをお勧めします。

(2022.8.5.)

05. 8月 2022 by Hayashi
カテゴリー: うつ病, 精神科Q&A, 躁うつ病