【4201】幼い頃にあった統合失調症らしき症状
Q: 20代前半女性です。 振り返ってみると昔からおかしかったような気がして、質問させていただいています。
私はなぜか幼稚園あたりの頃に、自分は本当の母親と父親の子ではないのではないかと思っていた時期がありました。
兄弟もいますが別に区別されて接せられていた訳ではなく、私が枕にタオルを引いて寝ているのを見て柔らかいタオルを買ってくれたり、普通に可愛がって貰っていました。
でも容姿が自分だけ醜いと思っていて、そこからその「私は本当の子じゃないのでは」と思っていたのかもしれません。
だから私は母が居ない時などに本当の子供ではないと確証付けるために母のタンスを漁って勝手に調べようとしていた時期もあります。
こういったことは幼少期によくある事なのでしょうか?
今も思いつめるとこの家の子じゃないと思う時もありますが、そんなことは無いはずだと考えることができます。
私は未熟児で帝王切開で産まれました。その話も聞いているので母の子だと確証は持てています。でも幼少期のあの考えはなんだったんでしょうか。
あと、私は気が荒く幼い頃は母があまり好きではなくて、母がご飯時に用意したお箸に「安定剤などなにかの薬が塗られている」という考えがあり、必ず拭ったり自分は要らない子、迷惑な子だと考えたこともあります。
今は鬱と社交不安障害で通院していますが、このことは主治医に相談した方がいいのでしょうか?
昔の話だけどなんでそう思ったのか、私は統合失調症なのかと不安になります。
林:
私はなぜか幼稚園あたりの頃に、自分は本当の母親と父親の子ではないのではないかと思っていた時期がありました。
幼少時にこのように考える時期があるというのは、特に病的なことではありません。もしこの考えが確信に変わり持続すると、統合失調症の妄想(来歴否認の妄想と呼ばれています)の可能性が強いということになりますが、この【4201】の質問者の場合は一時的な考えにすぎませんので、病的ではありません。したがって統合失調症のおそれはありません。
但し、
今は鬱と社交不安障害で通院しています
このこととの関係はやや気になるところで、仮にその「鬱と社交不安障害」の内容が統合失調症の前駆症状の色彩があり、かつ、「自分は本当の母親と父親の子ではない」という考えが、確信には至らないまでも消長を続けている場合は、今後統合失調症を発症するおそれはあると言えます。
(2021.1.5.)