【4188】解離性同一性障害と診断され、治療が始まりました(【3975】のその後)
Q: 【3975】高校生のとき教師から受け続けていた性的虐待と、自分の中のもう 1 人の自分 でご回答頂いた30代女性です。
今思い起こすと、自分の過去の体験を初めて主人や他の人に語ってその反動で寝込んでいた一番辛い時期に、藁にもすがる思いで出したメールでした。
先生からご回答頂けなくても構わないという気持ちで書いたのですが、1月5日に回答が載っているのを読んで、ご回答頂けたことをありがたく感じました。
先生からのご回答は、私にとって衝撃でもありましたが、自分の心理状態を客観的な角度から説明してもらえて、腑に落ちるものがありました。
周囲に性被害についてカミングアウトできてから、気持ちがとても落ち着いて、もうカウセリングは必要ないかも、とも感じていたので、先生からの「解離性同一性障害」の診断や治療が必要というご回答には、実は面食らってしまった部分がありました。
高校時代の憑依体験は「憑依型解離性同一症」だったのではないか、と考えてはいたものの、今の自分が「解離性同一症」と診断されるような心理状態だとは考えていなかったからです。
自分の中の自分が私を助けてきてくれたから、日常に支障をきたすことなく生活してこれたのにこのままで何か不都合があるのか、と思ったり、私たちはチームだ、この4人で私だ、と思ったり、その自分がいなくなったら私はちゃんと生活できるのか?と不安になったり、いろいろ考えました。
でも、先生からのご回答でそう言われるなら、やはり一度はカウンセラーの先生に会うべきだ、と思い、今日面談に行くことができました。
性被害のサポートセンターの方から紹介してくださったカウンセラーの先生は、博士号を含め多くの資格をお持ちで、主にトラウマの被害者や解離性障害に取り組んでこられた先生です。2時間弱話を聞いてくださり、林先生のおっしゃっていた通り、「解離性同一性障害」と診断を受けました。
過去の記憶が勝手に再生されて、それがただの記憶だと気づけたのに、感情的になってしまう、苦しいのに自分ではその記憶や頭の中に響く相手の声や息遣いをストップさせる方法がわからないし、そのくせ自分から思い出そうとすると記憶がどこかにいってしまうことや、記憶が消せないなら記憶との距離の取り方が知りたい旨を伝えたり、自分の中の複数の人格についても相談することができました。
カウンセラーの先生と話したことや、帰宅してから主人と話したりして、私の中では少し恐怖の伴う考えだったのですが、「もしかしたら、キャシーなんて本当にはいないんじゃないか?」とか、「私を助けてきてくれた私も、私自身であって、もしかしたら私自身がちゃんとやってこれたんじゃないか?だって事実私の身体は1つしかないのだし」と別の視点から自分を理解しようとし始めています。
自分の症状を診断されたものだと認めたくなかったけど、認めざるを得ません。
20年間、自分だと感じていた自分を、捉え直す作業だと思います。それ以外の自己認識の仕方がどんな感覚なのか、分かりません。どこまでいけば、終わった、と思えるのかも分かりません。見通しが立たないことは、私を不安にさせます。
でも、今からまた同じ20年間を過ごすのは御免だ、という気持ちがあります。
今日会えたカウンセラーの先生なら、自分の胸の内を話せる、と感じました。
だから、トラウマと解離性同一症にいま向き合おうと思っています。
私がそう思えるのは、林先生からの回答のおかげです。
本当に、ありがとうございました。
林: その後の経過をご報告いただきありがとうございました。優れた治療者と出会うことができ、適切な治療の第一歩を踏み出せたご様子、何よりと思います。回復にはそれなりの時間がかかるとは思いますが、必ず回復できるでしょう。また経過をご報告いただければ嬉しく思います。
(2020.12.5.)