【3831】父の健忘症状はいつの間にかなくなっていました(【3472】【3577】のその後)
Q: 【3472】実の息子に会ってもわからないという状態は解離性健忘なのでしょうか、【3577】父は大過なく過ごしていますを相談させていただいた50代女性です。
結論から申しますと、父の健忘の症状はいつの間にかなくなっていました。父は足かけ2年のブランクを経て会った息子(の顔)を当たり前のように認識できました。時間の経過が、息子のしたことや自分気持ちを整理して合理的に納得する一助になったのだろうと思っております。
最初の質問【3472】で相談させていただいたとおり、親戚の葬儀の折り、近しい身内ばかりがいる室内の至近距離で対面した息子の顔を「得体の知れない人」としか認識できなかった父ですが、その後1年半以上も没交渉のまま経過し、息子がようやく事業の清算をすることになったため事務処理を委託する目的で父が懇意にする士業の方を紹介することになりました。先日そのオフィス前で現地集合して会うことになりましたが、なんの問題なくふたりは落ち合い、そろって士業氏と打合せをすることができたのでした。
まったくの休眠状態の事業を清算するのに2年近くもかかる(伝票整理も何もしていないから)、世にあまたいる士業も自分で探すことができない(休眠状態の事業清算など士業なら誰でもできる定型のサービスだし、ネットで調べれば士業は山ほどいる)、等々、息子に対しては言いたいことはいくらでも見つかりますが、ともあれ父の解離性健忘の症状はなくなりました。
上記の通り、時間が経過する間に父が気持ちを整理して(事実とは異なる推測を一部に織り交ぜながらも)自分なりに合理的に納得することができたからなのでしょう。父と息子が現地で待ち合わせすると聞いたときは心配したのですが、杞憂でした。最初に質問させていただいたときに先生からのご回答にあったとおり父の解離性健忘の症状はなくなり、そのことで父が「自分が息子の顔だけ認識できない」ことを悩む必要はなくなりました(過去に息子の顔がわからなくなった事実は少し違う話として記憶している、あるいは無かったことにしているように見受けられますが、それは敢えて父に尋ねてはいません)。
その節は、限られた情報にもかかわらず的確なご回答をいただき、とても心強く、また大変助かりました。改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
息子は事業を清算して非正規ながらも定職らしき仕事を得、いまのところ生活は落ち着いているようです。最近は息子から金員の無心はありませんが、同人の物の見方や考え方や家計の状況について本質的な改善があったわけではなく、弟の行状について根本的な解決は得られていません。しかし最初に伺ったときの問題である父の解離性健忘という症状はなくなりましたので、本件につきましては本メールでとりあえず最後のご報告とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
(将来またこの種の問題が発生した際には新たに質問をさせていただくことがあるかもしれませんが、その節はどうぞよろしくお願いいたします。)
林: 経過のご報告をいただきありがとうございました。【3472】で回答したとおり、解離性健忘が永続することはまずありませんので、 父の健忘の症状はいつの間にかなくなっていました。 という結果は、解離性健忘の経過としてごく一般的なものであるといえます。
解離性健忘が治ったとき(ここでは失われていた記憶内容が回復することを「治った」といっています)、なぜ治ったのか理由がわからないことも多いのですが、
時間の経過が、息子のしたことや自分気持ちを整理して合理的に納得する一助になったのだろうと思っております。
という質問者の推定は当を得たものであると言えるでしょう。
また、息子さんが事業を清算する方向に動かれた時期に、解離性健忘が治った時期が一致したのだとすれば、息子さんの事業についてのご心配が解離性健忘の発生に関与していたと推定することも可能だと思います。
しかしながら、
最近は息子から金員の無心はありませんが、同人の物の見方や考え方や家計の状況について本質的な改善があったわけではなく、弟の行状について根本的な解決は得られていません。
という状況からは、
将来またこの種の問題が発生
という可能性も否定できないと思います。その際にはまたいつでもご質問ください。
(2019.6.5.)