【3725】人格が破綻している看護師

Q: 20代前半、女性です。
医療機関で看護師として働いている知人(20代女性)について質問があります。
彼女とは大学のサークル活動で知り合いました。機嫌が良い時はとにかくテンションが高く、冗談を言って周囲を楽しませる明るい方なのですが、普段の様子からは考えられないような一面を持っています。以下に彼女の言動の例を挙げます。

・気分の浮き沈みが激しく、常に笑っている時もあれば暗い表情で一言も話さない時もある。
・自分よりも他人が褒められることを極度に嫌がり、態度を豹変させる。
・被害妄想が激しく、他人の何気ない言動を悪意あるものとして受け取る。
・自分が誰よりも努力している、誰よりも能力があるという趣旨のことを言う。
・気に入らないことがあるとモノを蹴り飛ばすなど乱暴に扱う。暴言を吐く。
・周囲の人間を利用して悪評を振りまくなどし、他人を陥れる。気に入らない者は徹底的に追い詰める。
・愛情に飢えており、特定の異性に激しく依存する。相手の交友関係にまで干渉しようとする。
・(主に男性関係で)嫌なことがあると自傷行為に走る。また、それを周囲に分かるようにアピールする。

所属するサークルの性質上他大学の方々と共に過ごすこともあったのですが、取り巻く人間や環境が変わっても上記のような言動で度々問題を起こしてきました。彼女が原因で精神疾患になってしまった人も知っています。私は嫌でも彼女と長く時間を共にしなければならなかったので最大限気を遣って接していましたが、一緒にいてこんなに精神が疲弊する人間は初めてだ、と感じました。
彼女について、極端に気性が荒い又は性格が悪いと捉えることもできますが、これまでに起こしてきた問題の数が余りにも多く、私は彼女が何らかの人格障害を持っているのではないかと思っています。彼女の幼少期~高校生時代については知らないのですが、家族関係は至って良好であり、裕福な家庭で寧ろ甘やかされて育ってきたということは分かっています。
私は、彼女のような人間が医療の現場で働いているということに恐怖を感じています。病院での看護師採用活動については詳しくありませんが、少なくとも、自己愛が異常に強い彼女に看護師という職業が適しているとは到底思えません。SNSを見る限り、現在の職場でも人間関係の問題を起こしているようです。

ここで、林先生にお伺いしたいことがあります。

1.彼女は人格障害と言えるでしょうか?
2.医療に従事する人間の性格について、どこまでが個性として認められるのか。又、採用活動においてどこまでパーソナリティーを重視するのか。

どちらも明確な答えがなく、2に関しては個人差のある曖昧な質問ですが、林先生のご意見をお聞きできればと思います。

 

林:
1.彼女は人格障害と言えるでしょうか?

はい、パーソナリティ障害(人格障害)と言えるでしょう。自己愛性パーソナリティ障害が最もよくあてはまります。この【3725】は、自己愛性パーソナリティ障害から出る危険なうそにご紹介したケースとかなり共通があると思います。

2.医療に従事する人間の性格について、どこまでが個性として認められるのか。又、採用活動においてどこまでパーソナリティーを重視するのか。

それは従事する場所が医療であるか否かにかかわらず、職場どこに違います。採用活動についても同様で、職場ごとに違います。
・・・という答えでは身も蓋もないですが、事実はそうだということです。
若干補足するとすれば、「採用活動においてどこまで◯◯を重視するのか」という問いは、◯◯がパーソナリティであれ、健康状態であれ、その他どんな要素であれ、非常に複雑で難しい問題です。ひとつ間違えば不当な差別になるからです。

(2018.9.5.)

05. 9月 2018 by Hayashi
カテゴリー: パーソナリティ障害, 精神科Q&A, 虚言 タグ: , |