【3709】軽躁と好調の違いの判断方法は?
Q: 双極性障害2型 と診断されている20代女性です。
主治医に「最近はどうですか」という質問をされたとき、「調子がいいです」と答えると、「今ぐらい落ち着いているといいですね」と言われるときと「ちょっと元気過ぎるかな」と言われるときがあります。
自分としては同じトーンで答えているので、双極性障害という先入観のために、人並みの元気さを軽躁状態と見なされているのでは、と思ってしまいます。
精神科の先生は、普通の状態と軽躁状態をどのように見極めていらっしゃるのでしょうか。ご教示いただけましたら幸いです。
林: 普通の状態と軽躁状態は、その時の状態だけからは区別がつかないことはよくあります。というより、区別がつかないことのほうが多いと言ったほうがいいでしょう。
ではそういうときにどう判断するかといえば、多くは「その人特有の経過と症状を含めた個別的判断」ということになります。つまり、普通の状態から軽躁、さらには躁の状態になるときの兆しは、一人ひとりによって微妙に、ときには大きく異なりますので、個別的に判断するという意味です。
たとえば睡眠時間の減少は、一般的には軽躁状態や躁状態の徴候または症状ですが、「睡眠時間の減少」と言葉でひとことに言ってしまえば同じでも、その具体的な内容は一人ひとりによって違っており、すると睡眠時間の減少が見られたとき、それが普通の範囲内なのか、それとも軽躁状態や躁状態の徴候または症状なのかは、「その人特有の経過と症状を含めた個別的判断」ということになります。
(2018.8.5.)