【3445】解離性障害になりやすい素質について

Q: 私は20代女性です。
解離性障害についてお聞きしたくメールいたしました。
(以下の内容は、解離性障害への興味が全面に出ている文章になっているので、現在解離性障害の症状で悩んでいる方に対して失礼にあたる部分もあるかと思います。 申し訳ありません……。)

解離性障害は、選択健忘やはっきりとした幻覚、イマジナリーフレンド、果ては多重人格
(解離性同一性障害)など、健常者からはファンタジックにも思える症状が多いのですが それは解離性障害の人がもつ想像力の豊かさという素質が関係していると思うのです。

私が質問したいのは、その解離性障害になりやすい方の素質についてです。
生育歴がまず一番の原因となるのでしょうが、それではなく、本人の想像力に起因する素質のことです。
解離性障害の方はとても想像力が豊かだそうですが、ただ想像力が豊かなだけの人と違い、
解離性障害に起因する想像力を持つ人は、特有の特徴があるそうです。

私は昔、どこかのサイトかなにかで、妖精の作り方や、何年もかけて脳内に物語を作っている人の話しなどを見たことがあるのですが、それは以下のような感じです。

妖精の作り方
まずは脳内で妖精のイメージを膨らませる
妖精がおしゃべりできるように喋りかける
現実のものに宿っているかのように強く妄想する
辛抱強く妄想を続けることにより、現実で妖精が見えるようになる

脳内の物語
子供の頃から続いている
何年もかけた結果完結することもある
正確な地図がある
自分でも想像して無かった展開に発展してしまう事もある

以上ですが、これらの話はまず作り話である可能性が高いです。
ですが、解離性障害の素質を持つ人の想像力を鑑みるに、全く無い話でも無いのかと思います。
これらが実行出来る人は解離性障害になりやすい素質を持っていると林先生は思いますか?
(実際ここから解離性障害に発展するにはもっと別の要因があるとは思いますが。)

もしそうだとしたら、解離性障害というのはもっと身近な障害のような感じがするのです。

 

林: ここに書かれている「妖精の作り方」は、いわば「意識的に解離を起こす」方法です。普通はこのような方法で「妖精を作る」ことはできません。しかし、できる人もいらっしゃいます。それを「解離性障害になりやすい素質を持っている」と解釈することも可能です。【3444】出来事の記憶はあるが、感情の記憶がない もご参照ください。

なお、「解離」と「解離性障害」は別ですので(解離という症状自体は病的とまでは言えません。解離の症状によって何らかの問題が発生したときに解離性障害と診断がつくことになります)、

実際ここから解離性障害に発展するにはもっと別の要因があるとは思いますが

という質問者の見解はその通りです。

(2017.6.5.)

05. 6月 2017 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 解離性障害